圧倒的にすばらしいブリュンヒルデを歌い演じた池田香織さん。
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist
「わ」の会 第4回公演 "Erloesung" ~救済~
《神々の黄昏》
序幕よりジークフリートとブリュンヒルデの二重唱
第1幕より第1場、第2場
第3幕より第2場、第3場
ブリュンヒルデ: 池田香織
ジークフリート: 片寄純也
ハーゲン: 大塚博章
グンター: 友清崇
グートルーネ: 小林厚子
合唱:
宮之原良平
寺西一真
櫻井航
松澤佑海
指揮: 城谷正博
ピアノ: 木下志寿子
ステージング: 澤田康子
スタッフ
字幕: 吉田真
2017年8月24日 (木)
北とぴあ つつじホール
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恒例わの会 今年は神々の黄昏から抜粋。
ワグネリアンシンガーが集結し 濃い 濃い、ストーリー的にも一貫性のあるものに仕上がった。
会場にはワグネリアンの現人神 飯守御大始め、有名歌手 有名評論家が駆けつけた。
直前に日本ワーグナー協会の重鎮でもある三宅さんの訃報があり、追悼のチラシが挟みこまれていた。ご冥福をお祈りいたします。
やはり主役二人のパワーたるやすさまじい!
ブリュンヒルデの池田さん ものすごい声量 最終場面では泣きながら、瞠目の歌唱。ジークフリートへの純愛を貫いた。こんな女に愛されたら絶対地獄までとことん愛されそうである。それがブリュンヒルデの愛。燃え盛る炎🔥なのだ。
ジークフリートの片寄さんも圧倒的パワー。やはりジークフリートやトリスタン タンホイザーという最も重いヘルデンテノールがここまで歌える日本人はなかなかいない。キャラ的にも天然なジークフリートがぴったりなのである。
先日道化師のカニオをお聴きしたばかり。なかなか戻すのが大変だったそうです。
ハーゲンの大塚さんを聴くのが数年前からの望みだった。やはり彼の声はハーゲンにもぴったり。今日は悪役に徹していて楽しそうだった。
グンター友清さんは美声のバリトンでハンサム。演技も役者レベルで複雑なグンターの心情をうまく表現していた。
グートルーネに藤原のトップ プリマドンナの小林厚子さん。すばらしく美しい声で重い舞台に清澄な爽やかさをもたらした。グートルーネは初役と聞いております。
指揮の城谷さん いつもながら歌手を完璧に牽引。歌い出しすべてにキュー出し プロンプターも。ジークフリートの川下りとジークフリートの葬送ではピアノ🎹連弾。
楽譜についてご本人にうかがった。一人ピアノ用のアレンジされた楽譜は存在するのだが、連弾用はないのでいろんなものを参考にして、ご自分でアレンジされたそうです。
なんといっても毎回一番大変なのが、ピアノの🎹木下志寿子さん。すばらしいパワーで2時間弾き続けた。お疲れ様でした。
今回グンターの家来4人が出演した。
狩のシーンでは家来が運んできた野菜が袋から勢いよく飛び出し転がっていくハプニングが。寺西一真さんはどんな舞台にも笑いをもたらしてくれます。ご本人に伺いましたら
「気づかれましたか。あれ本当は比較的重量のあるブドウを先に出すはずだったのですが、それがおもりになるはずだったんですが…。ざっと勢いよく出せと言われていたのでああなっちゃいました。」と反省の弁。
彼は東京二期会の「ばらの騎士」でも、レルヒェナウ・ボーイズとして大活躍しているのです。ダンスしております。
バリトン寺西さんはまだ29歳で、桐朋学園大学卒。トランペット吹きでもあるようです。友清さんは声楽の師匠だそうです。お疲れさまでした。