オペラ通でおなじみの「名古屋のおやじ」さまから土曜日に行われた藤原歌劇団の人呼んで「ナヴァ・パリ」のご感想をいただきましたのでご許可を得まして公開させていただきます。
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藤原歌劇団公演「ナヴァラの娘」「道化師」 新制作
Day 1
2018年1月27日(土)14:00開演
東京文化会館 大ホール
指揮:柴田真郁
演出:マルコ・ガンディーニ
【ナヴァラの娘】(日本初演)
アニタ:小林厚子
アラキル:小山陽二郎
レミージョ:坂本伸司
ガリード:田中大揮
ラモン:松岡幸太
ブスタメンテ:安東玄人
他
【道化師】
カニオ:笛田博昭
ネッダ:砂川涼子
トニオ:牧野正人
ベッペ:所谷直生
シルヴィオ:森口賢二
他
合唱:藤原歌劇団合唱部/児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団(東京公演)
合唱指揮:須藤桂司
美術:イタロ・グラッシ
衣裳:シモーナ・モッレージ
照明:奥畑康夫
舞台監督:斎藤美穂
副指揮:諸遊耕史、鬼原良尚
演出助手:堀岡佐知子
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土曜日、私も上野で2演目を楽しみました。
『ナヴァラの娘』は、作曲者を伏せて聞かせられたら、絶対にマスネの作品と答えられないと思うなあ。『マノン』や『ウェルテル』のような、「いかにも」というのとは違いますよね。冒頭の大音量の部分からして、ほ~~んとビックリ。
主役のソプラノの歌の集中度と、バスの声質が印象的でしたね。初演の際に、アニタを務めたカルヴェの録音を集めたCDが家にあったので、『ナヴァラ』の音楽は入っていないけど、100年くらい前の、彼女の残した録音を聴いてその歌いぶりを想像しておりました。近々、ルチア・ポップが主役を歌ったこのオペラの録音がCDになるそうですね。
『道化師』は、見ごたえ、聴きごたえいっぱい。演出面では、「衣装を着けろ」の後の舞台転換で、時間がかかり、緊張の糸みたいなのが、切れてしまった感があって、そこが残念だったけど。
笛田さんのカニオは期待通り。でも、今後、彼のこの役のパフォーマンスはさらに凄みがあるものになりそうな予感。予想以上だったのは、ネッダの砂川さん。男と女の力関係のなかで、ネッダが置かれている状況を、強く表現した歌唱・演唱だったと思います。ネッダが蓮っ葉以上の、もっと複雑なキャラクターであることを感じさせるものでした。それを引き出したのが、おそらく、ベテランのトニオ役の牧野さんの芸。
『道化師』は、カニオが確かに主役ではあるけれども、ネッダやトニオたちのオペラでもあることを観る者に教えてくれる今回の舞台だったと思います。
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「名古屋のおやじ」さま、いつもありがとうございます!