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カテゴリ:読書
本書では、『戦略的発想』と『戦術的発想』を明確に区別している。
戦略的発想をする人とは、目的志向で色々な側面から物事を判断できる人である。 一方、戦術的発想をする人とは、目先のことを気にして、 短期的に計算しうる利害にのみ、強い関心を抱くような人である。 戦術の対象となる仕事とは担当する日常業務であり、 戦略の対象となる仕事は、会社や社会をどうしたいかという 大局的なビジョンを描く仕事である。 もちろん戦術的業務は重要であり、戦術と戦略は密接に関連してもいる。 しかし、戦術的業務だけでは、現状維持あるいは「改善」以上は望めない。 大方のサラリーマンは、会社に勤め慣れると、 会社がなぜ存在しうるかという、基本的問題について考えることを忘れてしまうようである。 そして、そんな社員は、自分の属している部門の利益を最優先に考えるなど、 自分の周辺に集中し、時に社会に対して価値を生まないものを提供し続ける。 結果、一生懸命働いて、会社を潰してしまうことすらある。 戦略的な発想をするためには、自分の会社が存在するのはなぜか、 どうすればよいのか、をまず考えてみる必要があると言う。 本書には以下のような面白いエピソードがあった。 自治体主催の都市開発や地域開発の企画会議で新しいアイデアを出したところ、 そこに出席している役人から「そのアイデアはどこでやっているのか」、 「これまでに前例はあるのか」という共通の質問が出された。 これは、戦略的発想に抵抗する考え方である。 リスクを取るよりは、現状維持を良しとする考え方に基づいている。 経済的パイの拡大や人口増加が望めない現代では、 業務の現状維持では、結果の現状維持すら保障されない。 もう一度、仕事の目的は何であるかを共有し、 また、現状維持を評価するのではなく、 戦略的発想に基づいた前向きな変化を評価することが必要だろう。 ![]() 【中古】afb【古本】「戦略的発想」を磨く本 ビジネスと人生を成功に導く88の視点/千尾将 ★★★★ ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年12月12日 20時53分24秒
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