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2013年03月02日
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カテゴリ:読書


★★★★☆

史上最年初(31歳)で政令指定都市(千葉市)市長となった熊谷氏の著書。NTTコミュニケーションズに勤めた経験と対比しながら行政組織の問題点をを指摘する。

本書で興味深かったのは「市民はユーザーでもあり、株主でもある」という視点。市民は納税者であり、納税行為に対する対価として行政サービスを受ける(=ユーザー)という考え方が強い。しかし、同時に行政運営の責任の一端を担う株主としての責務もあるというのである。

この考え方は、以前熊谷市長の記事について記した中での「執行役員は議会及び市長、副市長」という位置付けともよくバランスがとれている。

住民自身が考え議論する中で、我が街をどうするか決めて行くことが理想であるが、現実的にそれが難しいために住民は議員や市長にその役割を任せているのである。であるから、住民が自治体の施策や税金の使い方に関心を持って、意見をしていくのは求められることであって否定されるものではない。

本書において、ユーザーと株主の意識の違いが牛丼チェーン店に例えてうまく説明されているので引用する。(P177)

例えば、あなたが牛丼チェーンAの株主だったとします。今日からほかのチェーン店に対抗して、「大幅に値下げをします」というニュースが新聞やテレビで流れたと想像してみてください。これがユーザーであれば、お客さんですから、「これはお得だ」と喜んで食べにいくことでしょう。それどころか「もっと安くしてほしい」と思うかもしれません。でもあなたが株主だったら、どうでしょうか。きっと「過剰なサービスではないか」「そんなに値下をして会社の経営が大丈夫なのか」と不安になるでしょう。

住民の要望に応えるのは公務員の責務である。しかし、公務員は全体の奉仕者であり一部の住民だけのために働くことはできない。住民もそれを理解し、ユーザーの意識だけでなく、株主の意識を持って、「自らが街を支える」という気持ちを持つことができれば、自治体はもっといいところになるのではないだろうか。

行政が考えなければならないのは、住民が株主としての意識を高め、行動や要望に繋げやすくする仕組みである。まずは、住民の前向きな要望には真摯に答え、それを目に見える成果に結びつけることが必要である。

本書では似たような内容がごみの問題を事例に扱われている。千葉県は「ごみ3分の1削減」を掲げているが、その時に住民が「ごみの削減は行政のため」という意識ではなく「ごみを減らせば住民が得をする」という意識を持つように説明をしているという。ごみの回収を節税のために3分の1に減らすということを全面に出すのではなく、ごみを減らせば代わりに何かできるかを示すのである。

今後自治体が避けては通れない節税の取組みは、節税に協力する住民が必要性やメリットを理解し、同時に行政側が節税分を無駄な事業に充てないということを約束していかなければ成功しない。

住民の努力(ゴミの削減)が住民のメリットに結びつくようになれば、住民の行動にインセンティブが働く。そこを変えることができれば、より多くの住民が株主の意識を持つことに繋がるのではないかと考える。

千葉市の場合はゴミの削減を継続することで、現在3つある清掃工場を2つに削減できると書かれている。3つの清掃工場のうち1つは経年劣化による建て替えが近づいており、費用は100億円以上かかるという。市民が努力してごみの総数を減らせば、ごみは2つの清掃工場で処理でき、建て替え工事んは不要となる。この建て替え費用を住民のゴミ削減努力で浮かせること住民にとってメリットだと認識させるような、仕組みの構築は参考になる。

市民として読んでおきたい一冊。


(メモ)
・民間企業と行政の究極の違いは、公務員はユーザーを選べないこと(P24)
・会社の存続・発展が自分たちの生活に直結するという、民間企業における求心力の根源である理論が公務員にないことはさまざまな弊害をもたらしている(P27)
・これから政治の道を志すことは損。右肩上がりの時代は、これを作りましたとか、「あげる」「配る」ができた。これからは「何かを始める」財源を生み出すため「何かを取り上げる」ことが政治には求められてくる(P73)
・民間企業では、どんなに素晴らしくて質のいい商品を開発したとしても、それが売れなかったら、まったく意味がない。ところが行政においては、いい施策ができれば、それでOKという風潮がある(P84)
・クレームをゼロにすることが公務員にとって最大の仕事では困る。リスクを恐れずに行動しなければ、危機的状態に陥った千葉市の財政を改善することは不可能。(P95)



(ランニング)
2月22日 3km
2月25日 3km
2月26日 2km
3月1日  5km










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最終更新日  2013年03月03日 13時00分27秒
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