雑踏に立ち込むフライフィッシャー

このブログを始めてすぐに『オレの川』として紹介した、近所の川の橋の下のポイント。
お世辞にもきれいな場所とは言いがたいけど、最近はルアーでニゴイの数釣りを楽しんでおり、時間が出来た時のちょっとした遊び場になっていた場所。

先日このポイントで11歳の男の子が溺れて亡くなった。
どうやらひとりで魚獲りに来ていたようで、岸には靴と靴下とペットボトルが残されており、川底からたもが見つかったそうだ。
いつも自分が釣るのとまったく同じ場所に立っていた少年は、水深８０ｃｍの川で不幸にも溺れてしまった。
深みがないポイントで今の時期は特に水が少なく、２００ｍ下流には落ち鮎漁の網が張ってある。
もしあの時、自分も同じ場所で釣りをしていたら少年は死なずに済んだかもしれない、いち早く救助を呼べたかもしれない。
そう思わずにはいられなかった。

あの場所で釣りしてる人は見た事がないし、魚をすくいに来る子供も見たことがない。
でも魚はいっぱいいるから、きっと生き物が好きで見える魚に夢中になり、靴と靴下を脱いで川に入ってしまったんだろう。

この事故を新聞で知り、信じられない気持ちのまま川に手を合わせに行ってきた。
そこにはいつもの川の景色があったけど、いつもと違い河岸にはお花やお菓子が置かれていた。
この場所を好きでいてくれた少年がなぜ死ななければいけなかったのか、どうにもやりきれない思いだ。