適応
2015/04/10…雨上がり…四葉ニンジンの、四枚の輪生の葉の中心に光るもの見っけ!え!?っと思って、そっと触ってみる。 明け方落ちてきた雨露…。いくつもの葉の中心に、大きなもの、小さなもの…。 淀みなく透き通ったこの玉は…スワロフスキーよりもクオーツよりもはるかに明るく、 何処までも深く遠くを見通せる…宇宙空間を想わせる玉。…春になれば、全てのものが一気に芽を出すというものではない。その一つ一つが自分の時期を知っていて、その時が来て初めて芽を出し花が咲き、そして実を結ぶ。 隣の木が芽を出したからといって、自分もそれに合わせて芽を出せば…寒いか暑いか…合わない周りに振り回されて枯れてしまう。…人も、自分に合った時期が来るまで歩き出してはならない。そして、自分に合った時期を逃がしてはいけない。ひたすら力を蓄えて、その時が来たら速やかに歩きだそう。…そう…アイリーン・キャディの言うように、 『常に自分の中に答えを求めなさい。 周りの人や、周りの意見や、周りの言葉にまどわされていはいけません。』ただ、やむを得ず世間に放り出される事がある。これまでの人生で、自分も何度放り出されたことか。…そんな時生き残る術は…ドイツ出身の哲学者ゲオルク・ジンメルの言葉に、 『至上の処世術は、 妥協することなく適応することである』…と。 『適者生存』という言葉がある。…家の庭でも直ぐにこの『適者生存』…生存競争が始まる。…プランタにワサビとツルニンジンが…と思ってたら、 庭は今年も青ジュウタン。 確かに去年も、種が粉雪の様に降り注いでた。 少し経つと、生存競争…生き残りゲームが始まる…毎年の事だけども。…生まれるという事は、即時順応するか勝つかしなければ生き延びられない。 確かに、暖かな春の陽射しは喜ばしい。けれども、裏を返せば弱肉強食の世界をも生み出している。 戦いはカエル、ヘビ、カナヘビの世界だけの事じゃない。どんなもの、どんな世界も裏表、陰陽両面から出来ている。…植物も同じ。 少しでも成長が遅れれば他のものに陽の光を遮られて、その明るく温かい恩恵を受けられなくなる。 寝坊して顔を出さなければ、芽が出る前に雨で流される…。 強い根を張らなければ、より強いものに養分を取られてしまう…。 種が落ち、冬を越し、暖かくなった途端…熾烈な戦い。その環境に適応できるものだけが…先取りしたものだけが生き残る。…自然淘汰 / 優勝劣敗…いろんな言葉があっても、 結局は適合能力を持ったものしか生き残れない。 言い換えれば、適合能力さえ在れば生き残れるって事。 例えば、戦いに敗れた魚の一部が海に逃れ、 川より餌が多い海で大きく育ったなんて言う事もある。サクラマスは…言わば戦いに敗れたヤマメの仲間。 進化なんてものは、 言い換えれば、究極の困難に勝ち残ったものにだけ与えられる称号。…植物、動物、人間…全てのものにおいて、 自分で自分を見限らなければ…諦めなければ…何とかしようと努力している間には…「負け」なんてものは存在しない。 人は、進化した??それとも退化??…自然の法則の中で生きようとしなければ、いつかは滅ぶんだろう。 『どの一片の落葉も、舞い落ちながら宇宙の最大の法則の一つを満たす。』ライナー・マリア・リルケ リルケ…繊細な人。