カテゴリ:読書
「高度成長-昭和が燃えたもう一つの戦争」は戦後の荒廃した日記経済を復興させた総理大臣や大蔵官僚、元海軍の経理部に勤務していた「海軍短期現役士官」たちを紹介していた。まぁ、政治家・官僚はわかるがこの「海軍短期現役主計科士官」とは旧制大学を卒業した若者をいきなり尉官に任命し、2年間に限り経理部門を担当する将校で戦後彼らが政治(中曽根康弘氏6期)、経済界(澄田智 4期 日本銀行総裁)、産業界に入り、海軍式の経営方針を実行し日本経済を復興させたそうな。この本では経済通だった総理たち、それを支えた大蔵官僚や短現出身者の言動が書かれていた。(注:戦後~昭和中期のできごとなのできちんと公文書が記録されているので正しい情報(のはず))まぁ、日本人の気質として「最後までやり抜く!」や「一丸となって…」とかそーいうのが好きなので官民一丸となり、アジア初の東京オリンピックや新幹線開業、万博などを行い先進国で経済大国となったサクセス・ストリーが書かれていた。現在の状況と比べると当時はまだ「未来は幸せ」というイメージがあるが今は格差社会・環境汚染・特定アジア問題・高齢化社会など「お先真っ暗」なのでこんな輝かしい時代は来ないだろう。なかなかおもしろかった。「ローカル線で地域を元気にする方法」は外資系航空会社の部長だった著者(鉄オタ)が第三セクターのいすみ鉄道の社長公募に応募し、社長になりやってきた歩みが書かれていた。自身も「鉄オタ」ということもあり、鉄道そのものには理解があるが「鉄道で利益を出す」ということは初めてなので、いろんなイベントを打ち上げ地域自治体や住民らといすみ鉄道を盛り上げてきた記録だった。今でも第三セクターの私鉄は数多あるがどの会社も赤字でいつ廃止してもおかしくない状況だが、「市民の足」という命題もありなかなか廃止できないジレンマがあり、「儲けなければ!」という社長の思いが強くても地元民や観光客が利用しない事には儲けは出ないで、「お客さんを乗せる企画」を作り、自治体や住民らと共にいすみ鉄道を盛り上げている姿は素晴らしい。なかなか興味深い内容でおもしろかった。
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Last updated
September 1, 2013 12:03:03 AM
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