温故知新

本来なら、昨日から息子の一人暮らしが始まるはずだった。

しかし、会社からは“自宅待機”が命ぜられた。

国内の動きから言えば、

当然なのかも知れないが、

なんだか“肩透かし”を喰らったような感覚である。

とりあえずは、練習として１週間だけ一人暮らしを試すことにした。

５月の連休明けから本格的な勤務になる予定だが、

楽観的には捉えきれない。

今後、新型コロナウイルス感染症終息の兆しが見られない場合には、

延長も十分あり得る話だろう。






それでは、今日も映画を紹介しよう。

本日の紹介は「ビューティフル（아름답다）」。２００８年公開。

主演は、チャ・スヨン（차수연）。







すれ違う男性がみな振り返るような絶世の美女ウニョン（チャ・スヨン）。

誰もが羨むような美貌の持ち主だ。

だからといって、幸せというワケではない。



いつも男性から熱い視線を感じ、いつもナンパをされ、

女性からもその美しさから芸能人に間違えられるぐらいの存在である。

マンションの管理人のおじさんは、

毎度のように男性たちから預かったたくさんの花束をウニョンに渡すが、

あまりの多さに大半を捨てることになるのだ。



女友達ミヨン（イ・ミン）と喫茶店で待ち合わせをしたときに、

ミヨンの恋人ミノ（キム・ボムジュン）も後からやってきた。

ウニョンは、トイレから出てきたときにミノに口説かれるが、

頑なに拒否をして逃げた。

自宅に帰ってきたウニョンが、留守番電話のメッセージを聞くと

男性たちからの誘いの言葉ばかりである。

さらにミノはしつこく誘いのメールを送信してきたり、

自宅マンションのまえで待ち伏せていたり。

おかげで親友までもが、自分が誘惑したのだと疑う始末。

そんなこともあって、ウニョンはいつも孤独だった。



ある日、ウニョンのストーカーの一人であるソンミン（キム・ミンス）が

業者を装ってオートロックされた入り口を突破し、強引にウニョンの部屋に入った。

ソンミンは、ウニョンの美しさに吸い込まれていき、

ウニョンを強 姦して証拠写真を撮った。

強 姦犯ソンミンは、そのまま警察に自首をして、

ウニョンの部屋にキム刑事（チェ・ミョンス）と

警察官チェ・ウンチョル（イ・チョニ）が駆けつけた。

警察に自首したストーカーも、

「あなたが美しいから強 姦した」なんて、

まるで、美しいことが犯罪につながったかのような言い方をする。



そんなこともあり、徐々にウニョンは精神に異常をきたしていく。

美しいのが罪ならば、いっそ醜く太ればいいと、

暴飲暴食を繰り返すものの、逆にそれが拒食の原因にもなってしまう。



そんなウニョンの身を心配するのが、警官のウンチョル。

彼も最初は、警官としての使命だったのだろうが、

しだいにウニョンの美しさの虜になってしまったのだろう。



ウニョンは、醜くなる方法、男に嫌われる方法、あらゆる方法を試すがうまくいかない。

そして、ますますウニョンの精神は壊れていく。

ウンチョルは、そんなウニョンを見守り、

危険が迫ると救いの手を差し伸べるのだが、

ウニョンはますます壊れていくだけなのだ。

ウンチョルは、そんなウニョンを見ながら、なす術もなく苦しむだけなのだ。

そんな２人の行き先は、破滅以外にあるのだろうか。



やがて、ウニョンはすべての男が自分を強 姦した男に見えるようになる。

ストーカー男は刑務所の中から５年は出てこられないと

いくら言い聞かせても、ウニョンは納得しない。



このままでは、ウニョンがいつか大きな犯罪を犯してしまうのではないかと

心配したウンチョルは、ある決意を固めるのだ。

ウンチョルはウニョンが眠っている間に寝室へと忍び込み、

全裸になるとウニョンの眠るベッドに横たわるのだ。

目覚めたウニョンの目にはウンチョルは、あのストーカー男に映っている。

ウニョンは、ウンチョルのこめかみに銃を押し当てると、引き金を引くのだ。

ウンチョルは命を賭けて、ウニョンを救いたかっただけなのに・・・。



完全に我を失ってしまったウニョンは、

血まみれのまま、拳銃を手に町を彷徨いはじめる。

そして片っ端から銃を発砲するウニョン。

ウニョンには、全ての男があのストーカー男にしか見えなくなっていたのだ。

銃を乱射するウニョンを、警察が囲み狙撃するよう命じると、

ウニョンの胸を銃弾が貫き、ウニョンは息絶えるのだった。



さらに、ウニョンの遺体が安置されると、

監察医まで、ウニョンの美しさに、ついつい性欲を抱いてしまうのだ。



ほんとに「美しい」ということは、それ自体が罪なのかもしれない。

男を惑わす美貌。

周りから見れば羨ましいことなのに、実際にはそうでもないのかもしれない。





なんとも言えない切ないストーリーだった。

美しいが故に、普通に生きることさえ許されないのだろうか。

一度そういう男を惑わせる美しい女性に出会ってみたいものだ。



アメリカの映画評論サイト「ＴＣ Ｃａｎｄｌｅｒ」は毎年、

「世界で最も美しい顔１００人」を発表している。

２０１９年の１位はＴＷＩＣＥのツウィが選ばれた。

日本人ではＴＷＩＣＥのミナが９１位、

丹羽仁希が７６位、

岡田奈々（ＡＫＢ４８）が６５位、

石原さとみが６２位、

サナ（ＴＷＩＣＥ）が４８位、

小松菜奈が４１位、

山本舞香が２２位と７人がランクインしていた。



美しさには少なからず主観が影響し、

自分の好みかどうかが関係してくる。







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