たかすぃ～＠ありがた日記

久しぶりの雨。
　
理由はわかっている。
　
今日は所属している劇団の公演の仕込み。
　
電動工具などを携えていかなければいけないが濡れたくないので今日は小太郎を休ませ、駅までバスで行く。
　
朝7時台の雨の日のバス。
　
およそ初めて乗ったが、
　
奴隷船でアメリカ合衆国に運ばれた黒人の気持ちが一万分の一ほどわかった。
　
ありがたい。
　
ただ俺だって人間だ。
　
体をくの字に曲げたまま、いつまでもにっこりと笑っていられるほど尊い精神は持ち合わせていない。
　
だんだんイライラし始める。
　
乗ってから3コ先のバス停に15人程並んでいるのが見えた。
　
無理だろ・・・・
　
テンションが最高に下がった時、
　
運転手さんがバス停に並んでいるお客さんに向けてアナウンスをした。
　
「満車のため、次の便をご利用下さい。」
　
!?
　
バスは止まらずそのままスルー。
　
ありがたい…
　
以後、信号以外はそんな感じで全てスルー。
　
実はちょっと急いでいたので
　
そう考えると、この混雑。　
ありがたい。
　
　
バス、電車を乗り継ぎ、無事劇場に到着。
　
舞台監督をしている先輩が忙しく動いている。
　
雨は依然として止まず、サンサンと降り注いでいる。
　
原因はわかっている。
　
この舞台監督をしている先輩、
　
筋金入りの“雨男”。
　
だから皆、
　
“仮に”劇場仕込みという最も激烈に一番大変な日に“雨”が降っても
　
あわてない、さわがない、しょうがない。で平穏そのものである。
　
雨男。
　
ありがたい。
　
　
　
夜、
　
事件が起きた。
　
　

劇団の代表(演出家)のエビカツ弁当にタルタルソースが入っていなかったのである。
　
・・・・・・・・
　
彼はすぐ弁当手配の劇団員にすぐ店に電話するように指示する。
　
え？タルタルソース1個で？
　
代表曰く
　
「人間なめられたらおしまいなんだよ!!!!」
　
だそうである。
　
まあ、もっともだな。と思う。
　
小一時間後…
　
代表がスタッフと歓談している。
　
話題はうちの代表が演出を受持っている外部の劇団の待遇の悪さについてのちょっとした自慢話大会。
　
代表がうなる。
　
「俺なんかまだギャラもらってないからね！」
　
え!?
　
・・・・
　
それって…
　
なめられてるんじゃ…
　
・・・・・・・・
　
喉仏まで、でかけたがグッとこらえる。
　
きっと、
　
劇団員の我々には想像もつかない程の苦労をしているんだな・・・・・・・・
　
ありがたい…
　
　
お父さんとお母さんが自分に命を与えてくれた。
　
ありがたい。
　
おじいちゃんとおばあちゃんがお父さんとお母さんに命を与えてくれた。
　
ありがたい。
　
生きてることはお陰様。
　
ありがたい。