パクス・ジャポニカ Vol.2

2017/12/25(月)11:24

具志川城(琉球王国)

城跡と史跡(沖縄編)(19)

沖縄本島の最南端、喜屋武岬近くにあるのが具志川城です。 東シナ海に臨む城跡(ぐすくあと)には、サンゴで出来た琉球石灰岩の城壁が残っていました。 首里城と違って、ここではサンゴ石の野面積みです。 城壁には門があったのかも知れませんが、崩落していてよくわかりませんでした。 虎口跡 具志川城は三方を海に囲まれており、虎口を抜けると主郭の先に太平洋が広がっていました。 虎口跡から見た主郭 柵で囲まれた井戸のような場所は「ひーふちみー(火吹き穴)」と呼ばれ、海につながっています。 「ひーふちみー」は、荷物の上げ下ろしや有事の際の避難に使われたとされたようです。 主郭虎口(内側から見たところ) 海に面した石垣には、見張りのための階段と武者走りの跡がありました。 階段跡 武者走り跡 本土の城(しろ)について言えば、戦闘拠点としての役割が主だったと思います。 琉球の城(ぐすく)では、交易の拠点としての役割が主で、海に対する物見は重要な機能だったのかも知れません。 具志川城西側の太平洋 南側 断崖絶壁で囲まれています。 東側 その向こうが喜屋武岬です。 具志川城の築城時期は明らかではありませんが、出土した遺物からは13世紀から15世紀に使用されていたとされています。 また、築城主は久米島から逃れてきた按司とされています。 首里城のような相方積みや布積みではありませんが、少なくとも本土では石垣すら登場しない時期、琉球では野面積みの石垣が存在していたことになります。

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