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2007年07月06日
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カテゴリ:CD紹介

BEATLES ビートルズ / ONE ワン(2000年発売)
チャートで1位になったビートルズの曲をまとめたベストアルバム。各々の楽曲の素晴らしさ,楽しさ,音楽的な意義について私が今さら言うまでもない。似たようなベスト盤は公式でないものも含めるとかなり出回っていたが,それまでのものと大きく異なるのは24ビットデジタルリマスターされたというその音質だ。

私は昔70年代のDeep Purpleの音源をCD化したものを聞き,そのぺらぺらした音がどうしても受け入れられず,こんな古臭い録音よりは新しい録音のトリビュート盤であるSMOKE ON THE WATER~A TRIBUTE TO DEEP PURPLEのほうが良いと思っていた。もちろんこれはメンバーが異なるし,イングヴェイ・マルムスティーンのアレンジ(こんな感じで弾きまくっていたような…)などはオリジナルとかなり違うのだが,このアルバムのほうが少なくとも原曲のカッコ良さを感じることができた。

古い録音全般についてのその認識が誤りだと分かったのは,カーペンターズ『緑の地平線(ホライズン)』(1975年発表)のLPを聴いたときだった。録音特性ではCDに劣っていると認識していたLPから,同じCD盤とは明らかに次元の異なる生々しいボーカルが聴こえてきたのだ。その時初めて理解したのは,昔の音源のCDの音が悪いのは,元々録音が悪かったからというよりは,CD化する際のマスタリング技術がチープだったからということの方が多い,ということだった(このあたり参照)。1964年録音のOscar Peterson Trio / We Get Requestsが未だにオーディオチェックに使われているように,録音の技術はこの頃すでに高い水準にあったのだ。最近のリマスター盤は,マスターの高音質な録音を最新のデジタル技術でもう一度リマスターしてやることで,LPに近い音質を実現しようというものだ。

ただどうやらこのリマスタリング,誰がやっても,またどんな場合でも上手くいくものではないようだ。あくまで私の印象だが,オリジナルの録音に携わっていた人間がリマスタリングをしたものは高音質になる傾向が強いように感じる。輸入盤になるが,カーペンターズのベストアルバム「Singles 1969-1981」のSACD盤は,細部まで知り尽くしたリチャード・カーペンター渾身の作と言える素晴らしい出来だった。

そういう意味で,ビートルズの全てのオリジナルアルバムのプロデュースに関わったジョージ・マーティンほどこの仕事にうってつけな人はいないだろう。実際彼はすばらしい仕事をした。私は初めてこれを聴いたとき,LPを聴いたことがなかったからかもしれないが,おなじみの,聞きすぎていくらか辟易していたほどの名曲の数々が,今のものとして生々しく蘇ってきたように感じた。しかもどうやらこれはノイズリダクション主体のリマスターであり,さらなる改善の余地があるようだ。

こうなるとビートルズのSACD盤が聞きたくなってくるところだが,全世界のSACDを検索できるSA-CD.netで探しても,ビートルズのSACDは出てこない。SACDどころか,ONEのようなリマスター盤CDでさえ,ビートルズの作品ではなかなか出ていないようだ。

背景にあるのはやはり版権の問題らしい。現在はマイケル・ジャクソンが所有しているらしいのだが…。出せば売れるのが確実なだけに,色々なところの思惑が絡んでいるのだろう。ネット配信もされていないため楽天ダウンロードで試聴もできないが,最近ようやくiTunesで解禁される兆しが出てきたようだ。

01 ラヴ・ミー・ドゥ
02 フロム・ミー・トゥ・ユー
03 シー・ラヴズ・ユー
04 抱きしめたい
05 キャント・バイ・ミー・ラヴ
06 ア・ハード・デイズ・ナイト
07 アイ・フィール・ファイン
08 エイト・デイズ・ア・ウィーク
09 ティケット・トゥ・ライド(涙の乗車券)
10 ヘルプ
11 イエスタデイ
12 デイ・トリッパー
13 恋を抱きしめよう
14 ペイパーバック・ライター
15 イエロー・サブマリン
16 エリナー・リグビー
17 ペニー・レイン
18 オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ(愛こそはすべて)
19 ハロー・グッドバイ
20 レディ・マドンナ
21 ヘイ・ジュード
22 ゲット・バック
23 ジョンとヨーコのバラード
24 サムシング
25 カム・トゥゲザー
26 レット・イット・ビー
27 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード

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最終更新日  2008年06月27日 18時32分00秒
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