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カテゴリ:ダブルキャスト
「だけど麻衣ちゃんだって28歳だ。もう一度、東京の芸能界で、28歳からやりなおすってなったら、かなり際どいことをしなくちゃならないだろ。親御さんも、俺も、その事を言ったよ。でもな、それでもいい、って。一生、お前につきまとわれ続けるよりはマシだ、って言うんだよ」 「……」 「俺も役者だから、麻衣ちゃんの気持ちがわかる。あの子が、一緒に殺されてた遠藤ってお医者さんに付いていったのは、東京へ戻る足がかりを掴むためなんだ。例の先生は、麻衣ちゃんのファンだったばかりに殺されたんだ。お前は、殺してはいないけど、でも、やっぱり事件を作ったのはお前なんだ」 「…意味わからないんですけど」 安達は、ボソリと言った。 「だって所詮、森田麻衣さんってそういう女なんですから。人を利用するだけ利用して、用がなくなったらポイ捨てなんです」 「麻衣ちゃんが、お前の何を利用した?」 「福祉の大学に行くためのノウハウを、何回も聞きに来て…。私は時間を割いて、彼女に進学の手順を、願書の書き方から説明しました」 「それが、お前の仕事じゃないか?」 「何回か私の所にばかり来たから、最初から誘惑する気だったんでしょ。夕方に、私だけになった時にも来たので、30分も残業して相談に乗りましたよ」 安達は、抑揚のない声で語った。 「…それだけやってやったのに、『好きです』って告白したら、こっちの気も知らずに断ってきて…。裏切られた気分になってつい、」 「『殺してやる』って、言ったんだろ?」 ミーシャが言った。 「言葉で言っただけです」 「えがなあ…!」 権太が右の拳を握って、安達に殴りかかろうとしたが、刑事たちに抑え込まれているのを、ナオミが黙って見ていた。 少しだけ彼らと離れて、彼女は呟いた。 「思いっきり、殴らせてあげたいわよね」 「まあな。だが、役者はケガしちゃいけない」 隆一は言った。 「あの勢いで殴ったら、権太の手が腫れてしまうぜ」 <つづく> ☆人気ブログランキングに参加しています。トップページのバナーをクリックして下さると嬉しいです。 ランキング参加中です。 励みになります、ポッチをお願いします 人気ブログランキングへ おかげさまで、20位以内です。 みなさまありがとうございます<(_ _)> ☆連載ミステリー『ダブルキャスト』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。 登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は、冷え込みの厳しい1日でした。 それなのに、ときどき目がゴロゴロとして、まつげが入ったかな?と思い鏡を見ると、何も見えない・・・ 顔を洗うとき、目も洗ったらスッキリとしました。 これは花粉ですね。 冷え込みと、超乾燥、さらに花粉まで到来しているんですね。 今年はけっこう早かったです。お正月明けころから、目と鼻にムズムズとした感覚がありました。 まだ、完全に花粉症というわけではないんですが、今回のスギ花粉は多そうなので注意しなくては・・・ 大寒中なのに、インフルエンザと花粉を同時に警戒です^^; 今週末はかなり冷え込みそうです。 今夜は、生協の配達に入っていた、冷凍かき揚げを使った天麩羅うどんです。 冷凍かき揚げ、といっても、オーブンで解凍すると、揚げたてのような風味 サクサクと美味しく温まりました。
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Last updated
January 29, 2011 01:37:47 AM
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