サンタにお願い
この時期、お子さんのいる家庭では、「彼」の存在の扱いで悩まれている頃でしょうか・・・。一年のうち、11ヶ月ほどは忘れられているのににもかかわらず、12月に入った途端に、閻魔様のような役割を押し付けられる彼。母国ではグリーンを好み、着用していたにもかかわらず、某国の飲料メーカーの陰謀により、赤色を着せられている彼。書いててなんだか不憫になってきました。。さて、そんな彼の存在を、私はいつまで信じていたか。たしか、小学校3年くらいまで・・・だった気がします。そんな私のサンタの思い出の中でも、大人になったいま思い出す度に、当時の自分が可哀想に思える記憶があります。20年前くらいの、12月。おもちゃ屋さんで、サンタに貰うプレゼントを選んでいました。選び終わって、父だけお約束の「別行動」へ。母と子供たちは、同じお店の中で自転車なんかを見てたと思います。しばらくして、父が戻ってきました。おもちゃやさん経由で、サンタさんへの依頼を出してきた、といいます。「ちゃんと頼んできたよ。でも、カード取られちゃった」。おそらく父は、カードでおもちゃの支払いをしたのでしょう。でも、「払ってきた」とはいえないので、なぜか「取られた」と。この頃の私にとって、父の「カード」は「魔法のカード」でした。食事に行くたびに、カードを出していた父。それは、見せてサインを書くだけでご飯を食べることができる、まさに私たち家族にとって無くてはならない魔法のカードなのでした。(そんなカード欲しい・・・)そのカードを取られた?!確かに、サンタさんにお願いしたおもちゃは大きくて、普段なら買ってもらえないようなものでした。だけどカードを取られるなんて、サンタさん、あんまりだ・・・。そして傷つきながらも子供ながらに必死に考えました。きっと、カードは「ひとじち」みたいなもので、25日の朝には、私たち宛てのプレゼントの横に、お父さん宛の封筒があって、きっとカードを返してくれているはず!!(なんで人質をとられる必要があるのかわかんないけど)そんな結論を導き出した少女ひよ子は、それから毎日、「サンタさん、お願い。プレゼントはいらないから、お父さんのカードだけは返してあげて・・・」とお願いをしていたのでした。結局、クリスマスにカードが戻ってきて喜ぶ父の顔はみれませんでしたが(当たり前だ)、その後もレストランで問題なく食事が出来、父も相変わらずカードを出していたので、私の心配は消えました。やがて大人になるにつれ、カードの使いかたなども知り、私は全く心配する必要も無かったのだと理解するにいたりました。あのときの、父の軽い冗談さえなければ。私のクリスマスまでの時間は、楽しいアドベントだったでしょうに。いまだに、なぜ父がそんなしょーもない嘘を言ったのか、私には理解できません・・・。今度聞いてみよう。*** ↑クリックで応援していただけるととってもとっても嬉しいです。