311ページ目【耐久】 長く耐えること 長持ち
俺が好きな事は何もセックスだけではない。実はセックスよりも、もっと好きなのが“車”と“音楽”だったりするのだ。で、今日の旅は【耐久】なのだが、俺はこの言葉を聞くと胸が熱くなってしまったりする。その理由とは俺の大好きな“ロータリーエンジン搭載車”が日本車で唯一、伝統と格式ある“ル・マン24時間【耐久】レース”で総合優勝を成しえたと云う事実が否が応でも俺の心を揺さぶるからなのである。787Bしかも、この787Bは“ル・マン24時間【耐久】レース”に於けるロータリーエンジン搭載車出場可能の最後の年、いわば次は無い状態にて臨んだ最後のレースで優勝すると云った、劇的な勝ち方をしてくれたのだからたまらないのである。俺は世の中から嫌われているモノが結構好きだったりする。その中のひとつに“ロータリーエンジン搭載車”があるのだが、これは小排気量でレシプロエンジン(普通のエンジン)の倍ちかくの出力を発生すると云った優れた機構のエンジンなのだが、それを開発できなかったマツダ以外のメーカー(日産やベンツなどは研究に巨額の予算を注ぎ込んだ)から不当な差別を受け、税制面では1,146ccのロータリーエンジンが、なんと2,000ccと同一にされてしまい、挙句の果てはレース界においても締め出しを食らうハメになってしまったりしたのだ。そしてオイルショックにより燃費の悪い“ロータリーエンジン搭載車”は完全に社会の悪と云ったイメージを植えつけられてしまうのだが、それでもマツダはロータリーを諦めず開発し続け、現在まで続くのである。いわばマツダの孤軍奮闘によってロータリーは生き残ったのだが、このメーカーが評論家や他メーカーからのイジメに「耐えに耐え抜いた結果」が、他メーカーでは成し得なかった“ル・マン24時間【耐久】レース”の総合優勝だったと云うのは、皮肉だと思う。そして、そんなマツダを俺は愛し続けるのだろう。