#17 「国境の雪」柴田哲孝 (角川書店 674ページ)
ギリギリ間に合った~久しぶりの柴田哲孝。 北朝鮮の脱北ものだったので最初は気が進まなかったが読み進む内に引き込まれた。特に2008年辺りからの史実をベースに物語を絡ませているが柴田本人の狙いはフィクションでありながら実名や事実を織り交ぜ日本国民に中国の脅威に対する警鐘なのではないかと感じた。オバマやクリントン、温家宝、胡錦濤などのセリフは著者の想像と言うかフィクションだろうが結構信憑性というか大きく間違っていないいんじゃないかと思わせるところが面白かった。重慶市の薄煕来(ボー・シーライ)の失脚やその腹心、王立軍の亡命失敗など2年前に実際紙面上だったりニュースで度々目にしていたが興味はほぼ無かったが、「国境の雪」を読んで水面下でうごめいている中国の野心、アメリカの打算などが良く分かった。あくまでもフィクションという事になっているが、「中国毒」や「GEQ」の時のように90%くらい事実として読んでしまった。本当に本当なら日本人の平和ボケ、もしくは知らされていない怖さを憂慮しなければならない。