知的生産術【電子書籍】[ 出口治明 ]
知的生産術【電子書籍】[ 出口治明 ]価格:1650円 (2021/11/19時点)楽天で購入サービス産業を中心とする社会においては、労働時間ではなく、「成果」と、それをもたらす「アイデア」こそが、生命線になります。労働者が長時間労働をしていたら、画期的なアイデアは生まれません。長時間労働の工場モデルは、現代の働き方にまったく見合っていないのです。 わが国は、「メシ・風呂・寝る」の長時間労働をあらため、「人・本・旅」の集中短時間労働へと舵を切り替えなければ、経済が成長しない段階にきています。 サービス産業における購買の主体は、女性です。全世界でどのような統計をとっても、女性がサービス産業の需要全体の6~7割を占めています。ということは、供給サイドにも女性がいなければ、顧客の真のニーズをつかむことはできません。ヨーロッパでクオータ制が導入された理由も、この需給のミスマッチにあります。クオータ制とは、議員や会社役員などの女性の割合を、あらかじめ一定数に定めて積極的に女性を登用する制度のことです。 頭の中を整理する方法は、何より「自分の言葉に直すこと」です。人間は、言語を通してしか、自分の考えを整理することができません。言語化する方法は、2つあります。 ①人に話す②文章に書いて人に見せる 人生を豊かにするのが「人・本・旅」なら、人生を無駄にするのは、 「済んだことに愚痴を言う」 「人を羨ましいと思う」 「人に褒められたいと思う」 この3つです。 ある日SNSを見ていたら、「全員が日本人の男性で最年少が60代。全員がサラリーマンで起業家はゼロ。大学卒業後、1つの会社で勤め上げた人ばかりで転職経験も副業経験もゼロ。この組織は何?」という投稿がありました。答えは何だと思いますか?経団連です。「このような同質集団が経済の司令塔で、日本の経済は本当に大丈夫?」と結んでありました。経団連にかぎった話ではないと思いますが、大いに考えさせられるエピソードです。 僕が、大学のあるべき姿として共感しているのが、エジプトにある世界最古の大学のひとつ、アズハル大学の3信条です。 「入学随時、受講随時、卒業随時」 勉強したいと思ったときに入り、学びたいことを学び、学び終えたら出て行く。そしてまた学びたいと思ったら再入学する。大学とは本来、自らの意志で勉強しに行く所です。リカレント教育は、何も新しい概念ではないことがよくわかります。