インデックス投資は勝者のゲーム [ ジョン・C・ボーグル ]
インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法【電子書籍】[ ジョン・C・ボーグル ]価格:1980円 (2021/1/17時点)楽天で購入ほかの投資家に打ち勝とうとする場合、勝者が手にする利益は必然的に敗者の損失と等しくなる。取引が白熱するなか、他者を出し抜こうとするコストの高い競争で唯一確実に勝者となり得るのは、金融制度の中心に身を置く者である。ウォーレン・バフェットが最近記したように、「高い手数料を徴収するウォール街の連中が何兆ドルもの資金を運用している現在、大きな利益を手にするのは資産運用会社であって、顧客ではない」のだ。カジノでは、常にハウスが勝つ。競馬では、常に競馬場が勝つ。パワーボール宝くじでは、常に州が勝つのだ。投資でも同じである。投資というゲームでは、金融業界の元締めが常に勝利し、集団として見た場合の投資家は負けるのである。投資にかかるコストを差し引いたあとでは、市場に勝とうとすることは敗者のゲームなのである。 期間の長短にかかわらず、株式市場のリターンの総額から、中間業者のコストを差し引いたものが、投資家が獲得するリターンの純額となる。もしインデックス運用が勝つことを証明できないデータがあるとしたら、それはデータが間違っているのだ。 マゼランとコントラファンドが公表した投資リターンに投資家たちが気づくと、資金が投じられ、巨大な純資産が積み上げられた。しかし、ウォーレン・バフェットが指摘するように、「パンパンにふくれた財布は優れたリターンを上げるための敵なのだ」。実際にそうであった。この二つの人気ファンドが成長するにつれ、その業績は精彩を欠き始める。マゼランもさることながら、コントラファンドが到達したような巨大な規模にすぐに達するアクティブ運用のファンドなどほとんど存在しないが、おそらくはほとんどのファンドは、パフォーマンスが良い時期のあとに資金が投入され、悪い時期のあとに資金を引き揚げられることになり、これが変動するファンドのリターンに敏感なこの業界にとって根本的な問題となっているのである。積み立て投資はインデックスで福利効果を狙いましょう。