|
カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) ハリラクダ月に着陸福笑ひ 30年ほど前、国会取材を担当して間もないころに「ハリラクダ」 なる言葉を初めて聞いて、まごついたことがある。自民党の国対幹 部が語るには「その日程で、○○法案を通過させるのはハリラクダ だ」▼無論「針の穴にラクダを通すようなもの」の略で、不可能な ことのたとえである。キリスト教の聖書にある言葉からきているの だが、切った張ったの政治の世界で聖書の言葉が使われるのがどう も不思議な気がした▼探査機を月面の狙った場所にわずか100㍍の 誤差で着陸させる―。宇宙開発とは縁のない時代の人なら、その試 みを「ハリラクダ」と笑ったにちがいない。宇宙航空研究開発機構 (JАXА)が開発した月面探査機「SLIМ」の挑戦である。未明 に朗報を待った▼結果に「う~ん」となる。探査機は月面に着陸し たというから成功は成功なのだろう。旧ソ連、米国などに続き、5 カ国目の快挙だが、バンザイの声も控えめとなる。太陽電池が作動 しておらず、目標としていた高精度着陸ができたかどうかがまだ、 分からない▼見事な着地で、日本の技術を宇宙開発競争の過熱する 国際社会に見せたかったが、やむを得まい。着地の際にバランスで も崩したか▼JАXAによると「60点」の出来とか。満点とはいか ぬともこの道を追えば、針の穴にラクダは通り、探査機はピンポイ ントの着地を決めるのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.01.21 05:09:11
コメント(0) | コメントを書く |