|
カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) 革命児世の中変える黄雀風 ![]() 1969年にリビアに革命を起こしたカダフィ大佐はテント生活を続 け、外遊先のモスクワのクレムリンやパリのホテルでも設営した▼ 受け入れ国は迷惑でも、遊牧民出身の大佐にはテント生活が自然。 設置の是非はリビアの伝統を認めるか否かであり、大国への不服従 を旨とする大佐には譲れない話だった。宮殿に住み、石油を狙う欧 米に操られた王族を倒した69年の革命。大佐は2011年、反体制デ モが内戦状態を招いて権力の座を追われ、殺されたが、革命当初は 大衆に支持された▼同様に60年代に世に出て、テント公演を続け、 革命児と呼ばれた劇作家、唐十郎さんが亡くなった。既存の劇場を 向こうにまわし、各地に設けた「紅テント」で役者と客は一体にな った▼学生運動が盛んなころ。新宿の公園で無許可公演を強行し機 動隊に囲まれた。公演は独裁政権下の韓国や中東のパレスチナ難民 キャンプでも。選ぶ地が反骨の人らしい▼学生運動の時代が去って も俳優佐野史郎さんらを育て、野田秀樹さんら後進に影響を与えた 。唐さんが率いた劇団は今後もテント公演を続けるという。思いは 継がれる▼カダフィ時代のリビアにほ人々がテントを囲む革命礼賛 の絵が飾られ「テントは宮殿に勝った」と書いてあった。唐さんの テントには「勝った」といった過去形の表現は似合わぬか。恐らく 今後も世に何かを問い続ける。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.07 05:05:05
コメント(0) | コメントを書く |