カテゴリ:前立腺がん
◆◆ 患者さんの相談を受けました ◆◆
前立腺がんの情報発信をしている関係で、 先週も、福岡のZさんと東京のTさん、お二人とお会いしました。 福岡でお会いしたZさんは、初めてお会いした方でした。 東京でお会いしたTさんは、実は4年前に相談を受けた方です。 Tさんに関しては、このブログでも、紹介したことがあります。 https://plaza.rakuten.co.jp/tennisoyabaka/diary/201907010000/ https://plaza.rakuten.co.jp/tennisoyabaka/diary/201907150000/ Tさんは、50代の方で、40代後半に転移性前立腺がんと診断され、 診断時PSAは240と急上昇していました。 生検を行いグリソンスコア4+5=9 画像診断で、転移性前立腺がんの診断でした。 去勢術を開始し、半年で軽度PSA上昇し、 転移性前立腺がんの5年生存率は、約65%、10年生存率は45%ぐらい Tさんの再度のご相談ということで、先週お会いしました。 治療開始から、すでに5年、 転移性前立腺がんで、そして転移性去勢抵抗性前立腺がんで PSA240の高値でみつかった40歳代の転移性前立腺がんで、 予後(生存期間)は、はっきり言って、厳しいといわざるをえません。 診断治療から約5年の時点での相談ですから、 かなり悪化した状態での治療の相談と、覚悟してお会いしました。 つまり、てっきり、 悪性度の高い転移性前立腺がん、 根治治療もまだない状況です。 Tさんと、私Uromasterが投宿しているホテルでお会いしました。 4年前と変わりがないしっかりした足取りで、来られました。 話を聞いてみると、 画像検査でも、明らかな異常は見つかっていません。 PSAも2024年1月の時点で、 0.003未満と測定限界値以下と完全に低下しています。 ザイティガ+プレドニンの追加治療継続で、 Tさんの前立腺がんとザイティガ+プレドニン治療の相性が このように長期間効果が持続するのは、 言い方はわるいですが、かなりの幸運だと思います。 最初の去勢術開始後半年でPSAが軽度上昇した時点で、 去勢術治療開始後短期間(半年)でのPSA上昇は、 Tさんの場合、当時の治療選択肢として ザイティガ+プレドニン以外に、 イクスタンジ、 ドセタキセルの化学療法、 転移性去勢感受性前立腺がんと判断すれば、アーリーダも選択肢に入るでしょう。 この中で、ザイティガ+プレドニンを選択して、 このような5年もの良好な結果が得られるとは、 たぶん誰も、予想できないでしょう。 私Uromasterとしては、 Tさんにも、 今回の相談は、 1.FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル検査を 今すべきかどうか。 2.ザイティガを休薬、もしくは減量できないか。 3.今後の見通しを知りたい。 以上の3点でした。 私Uromasterのわかる範囲で、お答えしました。 興味がある方は、のぞいてみてください。 『2024/02/18 ステージ4のTさんにお会いしました。お元気な姿にびっくりしました』 https://mypage.mag2.com/ui/view/magazine/164205494?share=1
ザイティガ+プレドニン治療を選択し、 前述したように、 去勢術開始後早期に、PSA再上昇する場合は、 予後(生存期間)は、あまり期待できないというのが、昨今の解析結果です。 しかし、この解析結果は、あくまでも統計上の全体としての結果です。
ザイティガ+プレドニン治療をたまたま選択し、 ほぼ完全に長期間制御できるということは、 当時想像できませんでした。 ザイティガ+プレドニンではなく、 イクスタンジ、タキソテールの化学療法、 転移性去勢感受性前立腺がんとして、アーリーダも使えたかもしれません。 Tさんの前立腺がんとザイティガ治療が、 うまくマッチしたとしか、考えられません。 他の治療の効果に関しては、使っていないので、実際わかりません。 様々な臨床試験、臨床解析がなされています。 平均点の高い治療が求められている現状です。 プレシジョンメディシン、個別化医療の解析が不十分な現状です。
大変勉強になりました。 Tさん、相談してくれて、ありがとうございました。
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