細い赤い糸
細い赤い糸【電子書籍】[ 飛鳥高 ] いやあこれだけわけのわからん小説もないもんだ。 いわゆる独り善がり本の最たるものだ。 二課事件が殺人事件に飛んでいき、登場人物が次から次へと出てきては、殺される。 あーあ、こんなつまらない本を読んだ時間を返してくれ。 いきなりの話が汚職事件で、話はそのまま清張風に進むのかと思いきや、さにあらず。 チンピラ風の奴も何人か出てきて、一体作者は何を言いたかったのか。 ただ現場には赤い糸が微物として存在していて、それが何かがわかるのは最終盤のこと。 ところがその真犯人の動機が那辺にあるのかが全くわからん。 外れミステリーとでも呼ぶか、こういう作品を。 たしかに自分がそんなにすごい人間ではないけれど、これだけつまらん作品を読まされると腹が立つ。 正史とか森村が言うように、作品は読み手あってなんぼのものだ。 作品は、作者と読み手のシンフォニーだ。 それがこれだけ作者の独り善がりに付き合わせられると読み手の心は千々に乱れる。 そして、少しネタバレに及ぶのだが、急に出てきた容疑者は、どうも娘を不慮の事故で亡くしたらしい。 その復讐譚が、二課も一課もわけがわからん事件に絡めてしまったというわけなんだな。 その旨味を味わえと作者は訴えてるんだろうが、私にはとても理解不能だった。 こういうわけのわからん作品を見つけたときは早期に捨てて構わんのじゃないかな。(4/2記)