カテゴリ:婦人科疾患
本日は看護師長が記事を担当しています PMSという言葉はかなり周知されてきましたね 私の感覚ではありますが、 平成になる前は、この病気に対して一般的にあまり理解されておらず ツラい心身の症状を周囲に理解されずに苦しんでいた女性が多かったように思います PMSとは 月経前~月経開始数日までの3~10日(日数については文献によって違います) くらいの時期におこる心身の症状のことです 最近では、周知されてきてはいるものの、 主に診断・治療する専門医が「産婦人科医」であることから、 なかなか受診につながりにくい感もありますが 少しずつ診察を受ける方は増えてきるように思います 多くの症状は月経前に集中していますが、 月経数日経過しても症状がおさまらないという方もいらっしゃいます 症状は、身体症状、精神症状があり その症状は多岐にわたります 外来にて患者様のお話しを聞いていても 人によって様々な症状があり、 組み合わせのバリエーションも多数あるといつも感じます その中でも 外来にてよく聞かれる「身体症状」では 下腹部膨満感 下腹痛、頭痛 乳房痛、乳房が張る むくみ、にきび 眠気など 「精神症状」には 怒りやすい 涙もろい 気力が続かない 不眠 疲れやすい 無気力 憂鬱 暴力的・攻撃的になる イライラ などのように思います 「精神症状」が重くなると、 月経前不快気分障害(PMDD)という別の疾患になります しっかりとした管理が必要になります 2014年の日本産科婦人科学会のデータでは PMSの有病率は5.4%に対し、 PMDDの有病率は1.2%といわれています 人口の割合からすると数パーセントではありますが、 私の感覚ではもう少し多いような・・という印象があります PMSの原因は 主に黄体ホルモンによるものといわれていますが、 ストレスフルな状況や日常生活の乱れ なども症状の強弱に影響するようです
治療としては、 ホルモン療法、漢方療法、 対症療法(ツラい症状にあわせて薬を選択・使用すること) 食生活や日常生活の見直し 気分転換やストレス緩和 カウンセリングという感じになります 精神症状のでている方には 薬物療法とあわせてカウンセリングを受けていただくと より効果が得られるように思います もしくは、薬物療法でうまくいかない時には カウンセリングを併用してみてはいかがでしょうか 精神症状を訴える方にお話しを聞かせていただくと かなりストレスの多い生活を送っている方が多く 「心の疲れ」た状態が ちょうど生理前の弱くなった時に症状としてでているのではないか と思われるような方も少なくありません 攻撃的になってしまったり 暴力的になってしまう方 必要以上にイライラしてしまう 子どもやパートナーに暴力をふるってしまい落ち込んでしまう方 周囲の方から冷ややかな扱いを受けてツラい方もいらっしゃいます そのような症状も珍しいことではありませんし、 その症状を否定したりご本人を否定するようなことはありません ツラい状況から少しでも脱却できるようにお手伝いできたらと考えています 「カウンセリング」というと 特別な治療のように感じるかもしれませんが 別に特別な治療ではありません 薬の選択をするのと同じように 治療の選択肢の一つとしてご検討いただけたらと思います 当クリニックは「産婦人科単独クリニック」ではありますが、 20代、30代の方の受診が多く 妊娠に関係のない疾患での受診が多いです 垣根の低い、受診しやすいクリニックというのをめざしているので お気軽にご相談いただけたらと思います ご予約はクリニックにお電話でどうぞ ツラい症状から解放されて 穏やかな生活が過ごせますように お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.08.14 17:15:40
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