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知春の思考回路

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Mar 11, 2015
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テーマ:短編を作る(405)
カテゴリ:短編小説

夜空には、月より大きな彗星が輝いていた。



「あんなダメ男に都合よく遊ばれて!

もう、橙子のせいで俺の涙は枯れたわ!

あんな男諦めて、俺のもとへ来い!

そうせ彼奴は、今頃、お前じゃない、

可愛い彼女とイチャついてる!」


深夜の路上で涙目の和史が叫んだ。

すると、橙子の身体は、

橙子の意思に反して、和史の懐に飛び込んだ。



「えっ《゚Д゚》」


「俺から逃げられるとでも思った?」


和史はニヤケならが言った。


「何?」


「驚いた?

俺、人の身体を自在に操れる

能力を手にしたんだ」


「馬鹿なことを、いいから離して!

また警察呼ぶよ!」


「警察が能力を手にした俺に、

何か出来ると?ふっ、だから、もう諦めな!

橙子が、俺のこと嫌おうと、もう関係ない。

こうやって抱きしめる以上の事を求めない!」


「離して」


「離さない、俺がお前の事をしあわせにしてやる!」


「それ・・・無理だから」


「無理じゃない、いやだとしても

もう俺を止めることが出来る奴なんて

この世にいないし、ふふふふ、解ったか!

俺はもう無敵だ」



月サイズの巨大彗星が

地球圏をかすめニアミスした。

地球滅亡は、避けられたが、

巨大彗星の引力は、一部の人々の能力を、

強引に引き出し覚醒をもたらした。



橙子の意思に反して、

橙子の手が愛しそうに和史の頭を撫で、

和史の口に自らの口を重ねようとした。


「止めて・・・止めないと」


「止めないと・・何?凡人のお前に何が出来る?」

橙子の身体の操作権を手にし

勝ち誇った表情の和史は聞いた。


「ごめん・・・私も、もう凡人じゃないみたい」


橙子がそう言うと、和史の身体は、

恐竜の尻尾の様な物で弾き飛ばされ、

ホームランボールの様に、

空高く飛んでいってしまった。


「ごめん、

覚醒したのは貴方だけじゃなかったみたい」



地球にニアミスした巨大彗星は、

時間とともに、軌道を変え、

地球圏から離れていった。


そして、地球で覚醒したかに見えた人々も、

普通の凡人に戻っていった。

 

そんな地球規模の大異変に関わらず、

橙子が想いを寄せる、あの人は、

橙子じゃない、可愛い彼女とイチャついてるに違いない。

 

それを想うと橙子は、1人、泣いた。涙




おしまい





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最終更新日  Mar 11, 2015 10:54:13 PM
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