テーマ:お勧めの本(7264)
カテゴリ:本のこと
☆☆☆私自身も組み込まれている「講義のアウトソーシング化」☆☆☆ それにしても、この本で改めて実感したのは、非常勤講師が空前の買い手市場であること、ですね。オーバーな言い方をすれば、大学法人にとって非常勤講師は人間じゃない。 私自身、今年度、4つの大学(うち、1つは会社の業務の一環として)で非常勤の仕事をしています。この本の筆者の言葉を借りれば、「人件費抑制と多様なコンテンツの提供という二つの目的を同時に果たすために、講義のアウトソーシング化」に、私自身も組み込まれているわけです。 それぞれ、仕事関連のご縁でお手伝いしているものですが、本日は祝日でお休みのS大は今年度で終わりにすることにしました。もともとご縁があった先生がその大学を去られたことに加え、事務担当者のひどい扱いに堪忍袋の緒が切れてしまったのです。でも、「人間と思っていないのだから当然か」とこの本を読んで改めて納得。 ちなみに、他の大学のうち、火曜日にお邪魔している東京西部のT大学、前期にお邪魔した都心のH大学は、ご縁がある先生がいらっしゃることもあり、事務の方の対応が素晴らしくて感動しています(ただし、T大学の学生によると、私がお世話になっている専攻以外の事務には、ひどい人がいるそうです)。 木曜日にお邪魔している都心のS大は、失礼な人ではないのですが、事務処理能力の無さにあきれています 大学もいろいろなんだな・・・と勉強させていただいています。 ☆☆☆本格的な大学淘汰の時代は近い☆☆☆ 大学入学年齢である18歳の人口は2006年10月1日時点の推計で132万人。しかし、10年後に18歳になる8歳の人口は119万人。さらにその5年後の18歳(いまの3歳)は112万人になります。着実に入学予備軍の人口は減っています。減った分、大学進学率が高まればマーケットは縮小しないかもしれません。しかし、また、少子化になればなるほど、親は大学の教育内容に厳しい監視の目を向けるでしょう。そのころの大学生は、日本の大学を見切っているかもしれません。その時に向けて、この本の筆者が「学生に愛される研究室の秘密」と紹介している「利他の精神」でいい教育をしていこうという大学はどれだけあるのでしょうか。 日本の金融機関は、大蔵省による護送船団方式の終わり(本当に終わっているか疑問な点もありますが)と外圧(海外勢の進出)で、痛みを伴いながら変革をとげつつあるようです。日本の大学も、文科省による護送船団方式をやめ(文科省も廃止)、海外市場に学生を奪われて初めて、変わっていくのかもしれませんね。 私自身の仕事に関連していることもあり、いろいろと考えさせてくれる本でした。是非、本好きの妻にも勧めたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 4, 2007 12:37:43 AM
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