|
テーマ:新撰組!(305)
カテゴリ:もう一回見る新選組!
■冒頭走ってくる、勇と源さん、そして池田徳之助。先番宿割り、つまり、いち早く宿場に入って、300名からの浪士たちの部屋割りをするという係。運動部で言うところの庶務とかマネージャーの仕事ですね。場所は本庄宿、中山道を通って京を目指す、この行軍のどのあたりになるんだろうか、調べてみたら、江戸から22里、京へ113里ということだから、まだまだこの行軍は始まったばかりなんですね。
■途方に暮れていた勇の所に土方たち試衛館の面々がやってきて、宿割りの手伝いをします。今回あたりからの土方の采配ぶりは非常にてきぱきとしていて、名参謀と思わず拍手を送りたいような働きぶりでした。逆に前半部の勇の無策ぶり、無能具合いは、後半の活躍をグッと引き立てる効果てきめんです。浪士たちの苦情を収めようとした歳のアイデアのひとつはこんなやりとりにも表れていた。 勇「どうして(浪士たちの説得に)左之助を行かせた?」 歳「どうせ文句がでるのはわかっている 弁の立つものが間にはいると 言葉でやり合う分、事が大きくなる そういう時は話が通じないやつの方が丸く収まるんだ」 ■謎がひとつ解けたのは最終回に左之助が見つけた建物の落書き。あれはこの回のこの場所だったんですね。永倉新八参上。うるうるポイントのひとつです。この場所で、勇をはじめ、土方、そして山南さんまでもが、あそこの壁に自分の名前を、この時に書いたという設定になっていたんですね。細かすぎるぞ、三谷幸喜。 ■鴨騒動に入る前にもうひとつ忘れてならないのは、六番組小頭、村上俊五郎 VS 山南敬助ですよね。宿割りを担当していた山南さんに因縁をふっかけてくる村上。「部屋に入る前に足を冷やしたい 桶に水をくんでこい」「それは私の仕事ではありません」 このあたりの堺君のスマイルの七変化は本当に魅力的。本放送時もこの回あたりから彼の登場シーンに釘付けになっていったように思う。売られた喧嘩を嫌々ながら買わざるを得ないそんな一触即発の状況に現れて声をかけたのは、もちろん土方。 歳 「山南さん そっちが終わったら こっちお願いします 近藤さんが呼んでいる」 山南「すぐに参るとお伝えください」 歳 「その男斬ったら 私に教えて下さい 六番組一人減るので 七番組から一人こっちに回します」 山南「わかりました」 歳 「言っとくが山南さんは北辰一刀流の免許皆伝 この田舎侍はかなり腕の立つ田舎侍だ」 礼を言う山南、ちょっとはにかんで言い訳をする土方、横には笑顔の総司。「土方さん、山南さんのこと嫌いだったんじゃないの」 なんか、すごく微笑ましいエピソードで、本編を通しても大好きなやりとりのひとつです。ああ、あの頃は良かった。 ■さてこの回は芹沢鴨を濃く描く回でした。手違いで鶏小屋を割り当てられ、野宿すると言いだし、往来のど真ん中で大がかりな焚き火を始める鴨。佐藤浩市の、この鴨はただの暴れ者ではない、非常に屈折したインテリとしての彼を表現して見事です。 総司は芹沢を説得してくれるように、芹沢と同じ水戸浪士の粕谷先生に頼みに行きます。しかし彼は見抜いています。 粕谷「芹沢は粗暴に見えて実はちゃんと考えています あいつは見極めようとしているのです 浪士組の中で誰が使えて誰が使えないかを」 ■実際芹沢という人は、スーパー尊皇攘夷の天狗党出身で3人の浪士を斬った罪で投獄されていたのだが、恩赦によって釈放されたばかりだったらしい。その頃の彼がいったいどんな気持ちで浪士組に参加し、京を目指していたのか。きっと怖いものなんか何もなかったんだろう。尽忠報国の志(こころざし)と時折見せる虚無感、そんな得体の知れない怪物みたいな人物を本当に魅力的に見せてくれました。 ■焚き火を止めてくれるように燃えたぎる火の側で土下座をして懇願する勇。何の策もなく、愚直なまでに直球勝負しかできない勇。何度も何度も力一杯、目一杯の剛速球で勝負してくるピッチャーに対するバッターの気持ちのように、まわりの人間たちはこの投手に一目も二目も置くようになるわけですね。 歳「俺たちの頭は俺らが思っている以上にたいしたお方かもしれねぇな」 というわけで、名セリフ満載。どこを切っても芹沢鴨爆発です。 ■今日の問題 部屋割りでひとり部屋にして欲しいと総司に懇願したのは殿内義雄。その理由は同室の浪士が夜中、プスッ、プスッと変な音をたてて眠れないからというものだった。さてその浪士は誰でしたか。 ヒント ちょっとお年を召した方ですね。 ■ 第13回 演出 伊勢田雅也 新選組を行く 「芹沢鴨と水戸、玉造」 次回予告終了後、京都編の番宣あり ← please vote! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[もう一回見る新選組!] カテゴリの最新記事
|
|