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テーマ:新撰組!(305)
カテゴリ:もう一回見る新選組!
■今日は寄り道から。相撲っていつごろから始まったんだろう。調べてみたら、これはすごい。古く紀元前、古事記や日本書紀にも、もうすでに登場していたんですね。時代が進むと相撲はいつしか闘いよりも豊作を願い神に奉納する神事としてや、余興としてとられるようになっていったらしい。なるほど国技と言われる由縁だな。
■相撲にまつわる歌を3つ挙げなさい。そう言われて、思い出すのは、まずは有名な、なぎら健壱の「悲惨な戦い」。若秩父のまわしが落ちる話だ。興味がある方はこちらで確認して下さい。お次は井上陽水で「事件」。取り組みが終わって土俵から花道を引きあげる力士に観客がある事件を起こすんだ。「相撲協会は驚いて信じられないと言った」のだそうだ。そして最後は矢野顕子の「ただいま」。この歌詞は糸井さん。「テレビの角力の音とか聞きながらね」ある時代の夕方の風景の定番。ドラマの再放送とか、情報番組なんか無かった時代のことを歌っていた。 ■ここから本編。どっこい事件、大阪北新地で小野川部屋の相撲取りと浪士組がいざこざを起こし、芹沢鴨が彼らの一人を斬り殺してしまうという事件だ。ここで斬られたのが舞の海演じる熊次郎という力士。親方が言うには小柄だが面白い相撲を取る力士だったとか、ってまんまじゃん。近藤さんの留守中(実は源さんとダブルデート?)に起こったこの事件、沖田が初めて人を斬った、永倉さんは照英の頭突きで鼻を(おそらく)骨折した、山南さんは監督不行届で近藤さんにえらく怒られた、そしてますます芹澤鴨の浪士組での居心地が悪くなっていった出来事として捉えられています。 ■初めて人を斬った時の沖田と鴨のアイコンタクト・ショットの演出。そういう事をした後は刀が指から離れないなんてシーンをよく入れるのだが、ここでは藤原君の上気した表情を見せることで、この強烈体験の余韻を表していた。鴨に達人かもしれないなんて持ち上げられた彼に「嬉しそうな顔をするんじゃない!」と声を荒げる近藤。そこですかさず第2話のインサート。もちろん近藤が初めて人(盗賊でしたね)を斬ったシーンですよ。 ■それにしても斎藤さんの腹痛がなかったら、そもそもあの橋の上で力士たちとすれ違わなかったのにね。で、あれは仮病ということで良いんですか。彼に言わせれば、日本の歴史が全て「俺のせいだ」って事になってしまわないだろうか。それにしても結構神経質そうに見えるわりには、一番長生きするんです、この人。 ■今回、近藤は京都守護職容保公の筒井君と初めて言葉を交わします。そしてこの方の為に自分たちは働くのだという大義を自覚するんですよね。にしても、このふたりのやりとりは「余」と「ハッ」の応酬。自分のことを「余」と呼ぶ習慣ってもちろん無いから、聞いていて面白かった。私でも僕でも俺でもなく、「余」。またそれに答える近藤も「ハッ」のニュアンスでしか応じられないんですよ。強い「ハッ」、誠実な「ハッ」、おかしいと思っても「ハッ」、心から「ハハッ!」。昔の男子の言葉数の少ない事よ。 ■土方VSお梅の対決もこの回だった。鍛えすぎの上半身を晒した山本君の背後に忍び寄る鈴木京香。 土方「どういうつもりだ。芹澤さんに取り入り、総司をたぶらかし、今度は俺か?」 お梅「いややわぁ」 土方「言っとくが俺は落ちねえよ。体が火照ってしょうがねえって言うなら一晩くらいつきあってやっても良いが」 お梅「あんたなぁ。女なら、誰でも自分、好きになると思っているやろ。頭冷やしといで (団扇で)パシッ!」 この勝負、野球なら延長戦へ、サッカーならPK戦へ、相撲なら取り直し。 ■旗ができました。赤地に『誠』。風にそよぐと試衛館の『試』に見えるって、これは三谷の発見?それとも定説なんですか。もし前者だったら、この作家の才能にまたビックリです。ということは旗持ち熊面鯉登場ですね。やはりこの人も組!の顔の大事な一人です。 ■今回、永倉さんの様々なセリフに彼の人柄、男前感がすごく出てました。それを今日の名セリフ集ということに。 斎藤を連れ出しに来た小六に「出入りの時にどうしても人手が足りなければ、私に言え。一緒に行って謝ってやる」 力士たちに立ち向かいながら「殺すな!」 興奮している総司に「総司!武士は人を斬って喜ぶもんじゃない」 小野川部屋にお悔やみに「よし、俺たちも行くか!」 ■今回の問題 何度も出てきますが、沖田が初めて人を斬った回です。その直接の原因は仲間が相撲取りにやられそうになったところを助けたからなんですが、その仲間というのは野口君でした。では左之助がはしのえみにプレゼントした茄子は何本でしたか。 ■第21回 演出 清水一彦 新選組を行く 大阪と隊士たち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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