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テーマ:新撰組!(305)
カテゴリ:もう一回見る新選組!
■松平容保が長州軍制圧を帝に報告した際に中村福助・孝明天皇が「我にはどうもわからん、あの者たちは何がしたかったんじゃ。」と仰るわけですが、このセリフはとても儚いですね。志が届かない。長州決起のきっかけは池田屋の遺恨だったかもしれないが、天皇中心の国家再建を目指す事に関しては、誰ひとり異を唱える者はいなかったはず。藩の数だけプライドがあり、皆がそれぞれの殿様を担いで、おらが藩の優位を占めそうとしていた時代、その頂点に君臨しているはずの帝の意志は誰にも告げられることなく、その当惑顔がこの国の象徴だった。
■鷹司郷(立川三貴ですよ、倉本聰の「あにき」覚えている人いますか?)に愛想を尽かされ、死を覚悟する久坂のセリフに考えさせられる。 「これからどうなっていくのだ 長州は 幕府は 日本は 我らが為してきたことは意味があったのか 俺たちが生まれてきたことは・・・」 生まれてきたことに意味があったのか、実は今でもそんなこと考えているのが人間なんですよね。この当時、相田みつおがいたら、フェリーニの「道」を見ていたら、もっともっと生き延びようとしていた人は多かったかもしれない。しかし、この潔さが武士道なんでしょうね。一緒に自害する寺島忠三郎役は加藤大治郎、加藤剛の息子さんですね。それにしても、逃げのびる桂小五郎、この男には武士道が似合わない。 ■佐久間象山暗殺もこの回でした。名前にこだわるなんて小さい事と言っておきながら、自分を殺そうとした相手の名前を最後に知りたがるなんざ、この人の最後らしいエピソード。斎藤さんの「斎」の字とか、”かじはら”じゃなくて”かじわら”ですとか、実際、間違えて呼ばれた人は確かに不愉快な所ってあるんでしょうね。オトナになると電話の応対が増えるから自分から”さんぼんがわ”の川ですなんて言っちゃうようになるんだけどね。ま、暗殺者は普通は名乗らないですよね。石坂浩二はこのドラマでちょっと見直しました。名セリフの宝庫。今では佐久間象山といえば、絶対石坂浩二、上書きされてしまいました。みなもと太郎の「風雲児たち」、いつかオトナ買いしたいな。 ■去る人もあれば来る人もある。今回、初登場は三人。まずは笹野高史の孝庵先生。この沖田とのやりとりはとても印象深い。労咳と告げられる総司の藤原くんのふて腐れ加減と絶望感の芝居が実にリアルで、それを突き放すとも励ますとも言えない絶妙のタッチで名医感を表すこの人の名人芸に唸る。次は寺田屋のおかみ、お登勢の戸田惠子。長州の落武者をかくまっている所に新選組の御用改め。この気丈な女性を彼女に演じさせることは、まず最初に三谷が決めたキャストのひとりだと思う。ここでの彼女の追い払い方は第5回「婚礼の日に」の沢口靖子。 近藤「いたじゃないか、お前の姉さんが、もうひとり」 沖田「いましたね」 ここ、うるうるポイントでした。今回の名セリフにエントリーです。三人目は宇梶演じる西郷隆盛。今回は顔見せ程度。彼の凄みはまたいずれ。 ■京に火を放った長州に対し御所を守れと飛び出す組にあってひとり、仏光寺(字あっている?)通りに駈け出す左之助。これは明らかに命令違反。隊の規律を乱す自分勝手な行いにつき、切腹を命ぜられてもおかしくない行為だ。しかし、この男に法度は無用。一回切腹し損なっているからっていうのも理由のひとつかもしれないね。(ま、次回謹慎処分になるわけですが)暖簾だけ持って歩いてくるはしのえみを後ろからガバッ、このシーンに感動する婦女子の皆さんは多いと聞きますが、どうですか。後ろからガバッ! ■今回の問題 簡単な問題3問いきます。 問1 象山先生が源さんに付けたあだ名はなんだったでしょうか。 問2 寺田屋のお登勢がとっさに思いついた嘘、まあ、この人ったら○○○食べ過ぎるから鼻血だすのよ。○○○って何だ? 問3 谷昌武あらため近藤周平登場 彼の周りに集まって幹部たちが色々先生を買って出ます。それぞれ記号で結びなさい。 ア そろばん イ 柔術 ウ 剣術 エ 槍 A 永倉 B 左之助 C 松原 D 河合 ■第29回 演出 山本敏彦(初登場)ちょっと今回、捨助のデフォルメがきつすぎませんか。彼、今回はすっかりナビゲーターになってましたね。 新選組を行く 「久坂玄瑞と長州、萩」 吉田松陰といえば「花神」の篠田三郎ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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