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カテゴリ:演劇
■舞台を取り囲むように客席がある。最初青山の円形劇場かと思ったらシアターコクーンだった。思うにこういう形の舞台だと、どんな服着て見に行こうか迷うと思う。ド派手な色彩の真ん中へんの女性は舞台美術をかなり損ないはしないか。または客席に私服の藤原竜也を発見したとしたらこの芝居などに集中することはできないのではないか。
■WOWOWのNODA・MAPは「オイル」「メルス」に続いて3回目だ。今回このテレビの前の特等席はかなりの満足度だったと思う。中継スタッフは相当テストを繰り返したんだろうな、様々な角度から主に見たい情報を提供してくれて細部まで行き届いていたように思う。実際に行かれた人のいくつかのレビューを見ると、場所によってはかなりないがしろにされていた座席もあったということだから、テレビ観戦も捨てたモノじゃない。もちろん芝居の醍醐味はその場にいてこそ強く味わえることは承知しているが、プラチナチケットだもん。それにしても松たか子のつばに1万2千円かぁ。うーむ・・・ ■原作も読んでいないので贋作といわれても内容については今回はパス。去年ブックオフで間違えて上巻を2冊買ってしまって以来、読んでやろうというモチベーションが湧かなくなった。これを機に挑戦してみようか、とか思っている。あ、そうか伊坂の「グラスホッパー」の登場人物の一人がこの本の愛読者だった、たしか。 ■舞台構造上、出番を終えた役者がステージを降りて客席に着席して次の出番を待っているという演出が面白い。隣に息の上がった古田新太が座ってハーハー言ってたりする。結構酒臭かったりして。極端にシンボライズされた小道具の使い方も巧いなぁ。そうか、あの棒はドアだったんだと思ったら、ボートのオールになり、果ては錦の御旗にもなる。 ■だらだら喋る芝居を見ることが多いので、この野田秀樹の芝居の腹の底から声の出るような役者のセリフは演劇部的なものを感じるなぁ。テレビとか映画を見慣れちゃったものからすると演じている人たちがフレームを意識してないことが新鮮な驚きなんですよ。みんな声が通る、通る。でも野田秀樹の芝居でマギーを見るとは思わなかった。あの声を聞くと、まだ笑う準備をしちゃう自分がいる。 ■主人公、松たか子(英)の赤い衣装と古田新太(才谷、龍馬ですよ)の黒い衣装の対比がすごく綺麗。この二人のシーンの英(はなぶさ)のセリフがとても印象に残った。 「才谷、あの岸辺の新緑は君の目に染みるか?」 「私は今までこの大川の岸部に立つと この景色に抱かれる気がしたものよ。 でも今は何も感じない」 「私の眠りにはマンモスの牙がささったままだ。 新しい時代がきても 私にはもう二度とやすらぎは訪れないんだ」 ■野田秀樹の芝居を見て抱く感情はイチローや中田英寿のプレイを見て感動する気持ちにちょっと似ている。彼らと同時代に生きているということに感謝しなくてはならないんだろうな、きっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/03/22 11:41:36 PM
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