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テーマ:今日聴いた音楽(75596)
カテゴリ:音楽
01 When I Die
02 Evacuation Plan 03 The Long Time Now 04 Song For The Sun 05 Whole Lotta Love 06 しまった 07 いい子だね 08 People Are Strange 09 The Wall 10 変わるし ■このアルバムを聴いた後、わたしもまた爆音で「Japanese Girl」 を聴き直してみた。A面のLittle Feet とのNYセッションのかっこよさと、その当時から一貫して変わらない矢野顕子というミュージシャンの個性を改めて思い知った次第。このデビュー作から30年以上たったわけだが、いつまでたっても彼女は「日本少女」でありつづける。(もちろん少女のようなという注釈付きではあるが) ■30年ぶりのJapanese Girl である。そうは言っても、その間には25枚ものディスコグラフィが彼女にはある。アルバムごとに参加するミュージシャンはその時その時の旬の人たちで、共通点は楽器演奏に長けているという点。なかには弾き語りによるワンマンレコーディングもあるが、共演者のハードルという意味では、彼女の作品ほどその技量が高く設定されているバンドはない。 ■今作を含めて27枚のラインアップのうち、自分の好きな3枚、人に薦める3枚など、何かテーマを設定してくれればいくらでも好きなアルバムはあげられる。そんな数多くの傑作の中で今作の特徴は骨太であること、最もRockを感じさせるアルバムであることだと思う。 ■プロデューサーのT Bone Burnett は「Japanese Girl」以来の彼女のファンなのだそうだ。本当かどうか知らないが、今でもあのアルバムの譜面を全部暗記しているという。そんな異国のミュージシャンに全面的に制作権を委任した矢野顕子のプレイは原初的な音楽をする喜びにあふれている。 ■ベーシストをバンドに入れなかった理由は彼女の左手の創り出すフレーズとドラムスのJay Bellerose のプレイだけでリズムパートは充分だと彼が判断したことによる。その結果今まで以上に彼女のピアノプレイにスウィング感が増しているように聞こえる。なおかつ特筆すべきはギタリスト Marc Ribot の縦横無尽な演奏で、どう弾いたらその曲がかっこよく聞こえるのかを熟知しているようなプレイがプロだ。 ■わたしは限定版の方を購入したが、2枚目の英語バージョンの10曲の方がもともとのオリジナルのように聞こえる。(元歌の歌詞は2,4,6,7,9,10が日本語) 全10曲中、カバーは2曲で、英文タイトルだけではピンとこないかもしれないが、なんと M5はレッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」で、M8はドアーズの「まぼろしの世界」だ。 ■数多くの素晴らしいプレイヤーが行き来した歴代矢野バンドの中でも、T Bone Burnett を加えた今回のカルテットはかなりの高水準。付属のDVDでこのバンドの演奏風景を期待したが、収録された映像はプロモート用のトレイラーとM10のプロモーションビデオのみ。その雄姿は12月のさとがえるまでお預けということか。 ■ともあれ、聞けば聞くほど曲が耳に馴染んでいくという意味では歴代アルバムの中でも最高の部類。遺言のようにも聞こえるM1から過去など全部振り切って先しか見ないわたしを歌ったM10まで、突出した曲がない分、10曲がスムーズに流れていく感じ。それにしてもオフコースやくるりでは飽きたらず、ツェッペリンまで解体してしまうとは、相変わらず恐るべき矢野顕子である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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