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カテゴリ:音楽
01. おもちゃのチャチャチャ
02. HI,HI,HI 03. きょうのわたくし 04. HIGHLAND 05. SIMON SMITH AND THE AMAZING DANCING BEAR 06. ラーメンたべたい 07. 素顔 08. 終りの季節 09. GREENFIELDS 10. ASSEMBLY ■The SONGWRITERS、矢野顕子第2夜。前半はワークショップで、今日のお題は「愛をめぐる5W1H」。学生たちが書いたストーリーに即興であっこちゃんが曲をつけ歌いだす。何を歌っても矢野内喜怒哀楽の中にそれぞれのストーリーは押し込められ、オリジナルの作者の顔など何も残らない。 ■隣で「ほぉ」とか「あぁ」とか感心するばかりの佐野元春の方も、やはり即興で学生たちの詩のリライトを突然矢野さんから依頼され、その語感なり、リズムなりを音の乗る歌詞へと変換していく。この種の作業はある種の密室で行われるのが常なれど、ここに集まった学生たちはプロの仕事を目の当たりにして羨望のため息をつくことになる。 ■今日聴き直してみたいと思ったのは84年の「オーエスオーエス」。篠山紀信によるアルバムジャケットは遺影にしてくれと彼女が頼んだそうだが、あっこちゃんのそれはYEAH!といったほうが近い。加えて教科書にも載ったというあの「ラーメン食べたい」がB面の1曲目に入っているアルバム。奥田民生が歌うそれと矢野顕子オリジナルとではどこが違う? ■元歌の『男もつらいけど女もつらいのよ』が「女もつらいけど男もつらいのよ」と変わっただけで、ラーメンの種類が中華から味噌に変わってしまうように聞こえるのはなぜだ。90%ラーメンを愛でる歌詞の最後の10%に入り込んだ『あきらめたくないの 泣きたくなるけれど わたしのこと どうぞ思い出してね』という言葉は麺を啜りながら言葉にするのが最も適したシチュエーションだということを想定してこの曲は進行している。 ■このアルバムリリース時のライブにたしか行ったことがある。「ごはんができたよ」が全盛期YMOとの共演だとしたら、84年のこのアルバムのツアーは肩の力を抜いた充実期の3人(+大村憲治)との味のあるセッションだった。 ■わたしはこのアルバムはアナログ盤でしか持っていないのだが、針をのせるのは圧倒的にB面が多い。しかし細野アレンジのM2とか矢野歌詞の妙が際立つM3とかランディ・ニューマンのカバーM5とか魅力的な曲がA面にも並んでいる。 ■実は上の曲目リストはCD用のそれでLPではボーナス・シングルとしてM8が付属されている。前衛詩に曲をつけた名曲「素顔」と大作「GREENFIELDS」の間に挟まったこの細野晴臣の傑作がどんなふうに繋がって聞こえるのかはわからないが、アナログ盤のB面はわずか4曲だったということはおさえておこう。 ■「GREENFIELDS」は彼女の全キャリアの中でもひときわ大きく特別な曲であるようなオーラを今日も聴いていて感じた。わたしが佐野元春ならばかっこつけたポエトリーリーディングで指を鳴らしながらこの歌詞を読む。 ■わざとたどたどしい日本語で、愛についてその根本と周辺をめぐる歌詞は最終的には歌い手をこんな高みにのぼらせる。これを感動的と言わないで何と言おう。 私の腕は 黄金となり 私達の愛を 押し広げる なお、この曲の名曲感を煽るバックコーラスには山下達郎が起用されているのもポイント高い。 ■終曲M10はわたしの職場でイベントがあるたびに、入退場のBGMにするよう関係者に流してくれるように頼む曲。この心躍る感じと、なんとなく胸が締め付けられる感じを併せ持ったメロディはこのあアルバムの締めくくりとして実にふさわしいものだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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