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カテゴリ:真田丸
■すごくオーソドックスな船出である。一昔前の大河ドラマと同じように、ちゃんとオープニングタイトルから始まり、バイオリンのテーマが鳴り響き、スタッフ、キャスト名が映し出される。物語を補足するのはナレーターの役割でそれはちゃんとしたNHKのアナウンサーの声だ。ただ新機軸としてはこのタイトルバックに(おそらく)各回のある部分がインサートされる手法、これは結構手間のかかる作業だと思うがどうだろう。
■ロシアの小説と同じように戦国時代の武将たちの名前を覚えるのが苦手だ。長男のくせに源三郎だったり、家族全員が一字しか違わなかったり、また出世魚のように年をとると変化するし、苗字だってころころ変わる。むしろリチャード3世とかルイ14世とかサミーディビスジュニアなんて方がよほど親切で覚えやすい。 ■もうひとつわかりにくいのはこの時代、主従関係もまたころころ変化していくことで、あの時あの人の家来だった人が次に会った時には今まで敵だった人に仕えているなんてことが日常茶飯事であること。生き残るためにはどちらの側につくのが得策かという策略の時代でもある。さてこの真田一族、この時点では武田勝頼傘下である。 ■偉大な父を持った息子の悲哀をこの武田勝頼に感じる。影武者作戦も長続きするわけはなく、家来の裏切りに次ぐ裏切りで右往左往する御屋形様が不憫だ。それはこのキャスティングにも表れている。これから先も織田信長の息子、豊臣秀吉の息子などが同じような境遇になることを考えると、この二代目の悲哀シリーズはこの大河の隠しテーマでもあると思う。 ■堺雅人の姉、木村佳乃夫婦の会話は戦国時代劇のそれではない。出陣の際にキスでもしてしまいそうな現代口語的かつアメリカナイズされたカップルのようであるが、そんな柔和そうな夫の頭の中には主君に対する裏切りも含まれているところが戦国時代的だ。 ■「篤姫」同様ホームドラマ大河でもある。堺雅人と高畑淳子に家定将軍と本寿院様の名残が。長男大泉洋は今のところちっとも無責任には見えない。草笛光子は堂々とチャーミング。そして何より前半の見どころは草刈正雄扮する真田正幸だろう。戦国風ダウンジャケットに身を包んだこの知将をあのマスク、あの声色で演ずる彼に抜群の安定感と色気を感じる。 ■これまで全くこの時代には興味がなかったが、年末には戦国武将博士になっているのだろうか。そういえば12年前の1月も新選組のことなんか何も知らなかった。真田信繁から見た信長や秀吉や家康はどのように映るのだろう。とりわけ豊臣秀吉を演ずる小日向文世が歴代の秀吉役者のイメージをどう塗り替えてしまうかが後半の楽しみである。 PS 佐助ってあの猿飛?呼ばれてから登場するまで何分かかってんだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/03/06 09:57:36 PM
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