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カテゴリ:真田丸
■服部隆之の音楽は「新選組!」同様この大河に随分とマッチしていると思う。特にオープニング・テーマの勇壮さはキャスト名でもしんがりを務める草刈正雄あたりの盛り上がりをピークに今回はどんなドラマを見せてくれるかというワクワク感をあおる。
■しかしここのところ、この物語を見ながら脳内に再生される音楽は軽快なラグタイム・ピアノ。草刈正雄がポール・ニューマンに、堺雅人はロバート・レッドフォードに見えてしまうこのドラマはまるで戦国時代のスティングのようだ。(ロバート・ショー役は俄然西村雅彦がいいと思う) ■「上手な人の騙し方(副題・調略の極意)」なる新書を発行するとしたら断然書き手に推薦したい真田昌幸であるが、彼が秀でているのはただ単に場当たり的に目先の相手を陥れるだけでなく、その先の目的のために策を弄しているところで、今回自らの軍は何も被害を受けることなく北条、上杉、徳川という諸大名を追い払うという芸当を成し遂げた調略作戦は実に見事。 ■ただし被害を受けていないといっても、彼の周りの実働部隊たちは少なくともその都度心にたくさんのかすり傷を増やしているわけで。それが大人になることとはいえR20指定くらいの指令が多すぎはしないか。これから先も、舌の根も乾かぬうちにとか、朝令暮改とか、てのひらを返したようにとか、散々な形容をされるのだろうが、彼に騙される側の人物の顔を思い出して並べていくのもこの大河の楽しみでもある。 ■北条氏政の汁かけ飯の逸話には汁の量も推し量れぬ彼の裁量のなさを揶揄する意味合いがあるらしい。しかしこの三谷版高嶋政伸は食べる分だけ汁をかける。それがおいしい飯の食べ方だと彼は言い張る。そう、逸話は実話ではない。だからいくらでも脚色は可能だ。 ■武田勝頼役の平岳大、織田信忠役の玉置玲央、そして北条氏直役の細田善彦。これまで出番はわずかながらこの嫡男トリオの好演が光る。とりわけ今回の細田君のセリフ回しは印象的。キャストといえば、先日発表された信繁の正室役に松岡芙優が決まった。ちょっと楽しみだ。 BGM ジ・エンターテイナー スコット・ジョプリン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/03/06 09:59:51 PM
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