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カテゴリ:真田丸
■信濃国小県(ちいさがた)という地名がまず可愛らしい。そこにはお花畑があり、きれいな池には魚が泳いでいて、村の子供たちの笑い声が聞こえてきそうだ。だからそこを治める国衆も清廉潔白で、村人たち誰からも尊敬を集めていて。
■清廉でも潔白でもないその国衆は武田→織田→上杉→北条→徳川と、ころころとなびく先を変えた。それは行き当たりばったりに見えて、その時々の風を読んだ結果だ。そしてその根底には自らの領地を守らなければならないという使命が常にはたらいていた。 ■ただ時々読み違えるのである。まるで薩長連合のような北条と徳川の和解は彼の頭の中にはなかった。あの時代にも両者を仲介する坂本龍馬のような存在がどこかにいたのだろうか。これでまたシナリオの書き直し。戦国時代の脚本家に必要だったのはアイデアよりも書き直しに次ぐ書き直しという忍耐の方だった。 ■そしてこの平成の脚本家の方は前回の大河では封印していた有働女史のナレーション作用によって、先の展開を仄めかす手法をとる。お得意の「それはまた先の話」で語られる今後の真田一族の苦難の歴史はまだまだこの物語が序章に過ぎないことをあらためて気づかせてくれる。 ■高畑淳子、黒木華、長澤まさみ、長野里美、この中で誰の膝枕が一番心地よいか考えてみる。草刈正雄は安らぎを得ようとして彼女の膝に頭を乗せたわけではない。堺雅人はおそらくあの後、彼女の膝で自分の夢を語った。大泉洋は彼女の膝に自分の頭を乗せるなんて夢にも思わない。そして私はできるなら残った彼女の膝で一緒にあの饅頭を食べていたいと思う。 BGM 旅の宿 吉田拓郎 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/03/06 09:56:47 PM
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