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カテゴリ:真田丸
■長男・大泉洋は落ち着かなかった。相変わらず父・草刈正雄は仮病を使って徳川の御前に顔を出し大事な要望(真田のために城を作ってくれ。沼田城はあなたがたにはあげない。)を家康に伝える役目を彼に任せた。
■後ろに頼りになる叔父・栗原英雄と小賢しい弟・堺雅人が控えているとはいえ、家康とその家来たちの前でそんな無理難題を果たして大声で言えるかどうか。まして家来の中には何か動物みたいな血の気の多そうな猛者もいて、小童(こわっぱ)め!って怒鳴られるのは慣れているけど、いきなり斬りかかってきそうで怖いったらない。 ■に対して弟・堺雅人は彼に比べれば堂々としていた。あんなに露骨に裏切った上杉のもとへ再び単身乗り込むなんて普通の神経ではありえないけど、父が私を試してくれていると思えば、逆にやってやろうじゃないかって気にもなる。四方八方から刀の切っ先を向けられてちょっとでも頭を動かしたら顔が切れてしまいそうな状態でよくあんなこと言えたと後になって思う。それは愛のおかげかもしれないし、父親の自覚なのかもしれない。 ■そんな信繁の必死の訴えを聞いていた上杉景勝の目に涙が浮かんでいたのはなぜだろう。殺されるかもしれないとわかって、わざわざ自分を頼ってきたこの未来の勇士に対する畏敬の念なのか、それともまだ力になってくれる者もいるという嬉し涙だったのか。徳川家康、北条氏政の狡猾さに比べこの上杉景勝はここまで3人の中では一番純粋に描かれているように見える。 ■その景勝のそばには必ず直江兼続がいる。これがまたやたら声がいい。10年前くらいに妻夫木君が被った兜がまだNHKにあったかどうか知らないが、同じ役を与えられた今回の村上君もまたあの「愛」なんて面倒くさい複雑な文字をあしらったあれを被って猿芝居の片棒を担いだ。その結果、前回に引き続いて誰も血を流すことなく、真田の思惑は叶った。しかし今回に限ってはあの兜、堺君が被ったほうが似合ったような気がする。 ■当時もできちゃった婚という名称は存在していたのだろうか。気後れなんか何もなく、それを知ってどちらも底抜けに喜んでいるという図は見ていて微笑ましい。牛蒡を持った女の人を抱きすくめた経験はないが、その警戒心ゼロの堺君に対して、包丁だったらどうするのよって長澤まさみだったら言うかもしれない。 ■そんなふたりの祝言は来週らしい。三谷大河で描かれる祝言ではたいてい事件が起こる。新選組でもたしかあの日、傷を負ったオダギリジョーが現れた。家康の狡賢い方の側近・近藤正臣に呼び寄せられた西村雅彦は何を言われたのだろう。ちょっと戸惑った彼の顔にはこれから利用される人のオーラが滲み出ていた。最終話まであのこわっぱめ!が聞けるといいなと思っていたが、なんだかそれは叶わないような気がしてきた。 BGM 見上げてごらん夜の星を 坂本九 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/03/13 10:04:19 PM
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