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カテゴリ:テレビ番組
■「このドキュメンタリーはフィクションです。」わざわざそうことわってもらわなくても、明らかにこれは筋書きのある突撃風虚構劇だとわかる。原作はまたしても清野とおる、そして監督も松江哲明とくれば、例の山田孝之の「北区赤羽」の世界ではないか。
■松岡茉優見たさに毎週チェックしていたのだが、各回のこだわりを持つ人たちの人選ないし、その偏執狂ぶりの振れ幅の大きさに何を狙っているのかわからない前半だった。ポテトサラダ、梅ぼし、ベランダ、さけるチーズ。とりわけ第2回の戌井昭人の「帰る男」は非常に難易度の高いこだわりと奇妙な物語が相まって不思議な後味が残った。 ■そして終盤4回くらいからタイトルも「みんなエスパーだよ」の如く黒地に白の迫力ある字体に変化し、なにやらそれまでの一話一話を面白かった、面白くなかったで割り切る見方は間違っていたのかもしれないという雰囲気が感じられ始めた。そうかすべては最終話の向けての序章だったのか。 ■山田孝之の決着は地元赤羽の小さなホールにおける「桃太郎」の上演だったのに対し、今回、松岡茉優のフィナーレはパシフィコ横浜でのモーニング娘のステージのセンターポジション。実際に観客の前で(仮)メンバーとして(仮)アイドルになってしまった彼女は仮でも何でもない本物の俳優だった。 ■松岡茉優はたしかに上手な女優だと思う。私は「問題のあるレストラン」での彼女が「あまちゃん」の時よりずっと好きだ。ただこのフェイクドラマを見終った後では、後者の入間しおりこそ彼女のはまり役なのだと実感する。プレゼン能力、コミュニケーション能力は高いに越したことはない。でもあのドラマで輝いて見えたのは圧倒的に能年玲奈の方だった。 ■見逃してしまった人は、できれば連続して1話から最終話まで一気に見るのが良い。四六時中カメラを回されている中で素の部分がどこで演技している部分がどこで、なんていう割り切り方なんかできるはずがない。結局カメラに写ってしまっている全ての部分が自分でも気づかないその人の姿なんだと思う。 ■今期のドラマのテーマソングの中では「ゆとり」の感覚ピエロよりもこの番組のSuper Beaver 「人として」が良かった。もちろん「トットテレビ」の大友良英の仕事の素晴らしさは言うまでもない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/06/19 04:23:34 PM
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