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カテゴリ:真田丸
■特殊メイクの達人の名がタイトルバックにクレジットされているのを見て、これは間違いなく高嶋政伸のあれだなと思った。藤岡弘、の膨張面とこの北条氏政の白粉顔は側に寄りたくない二大面相で、仕事とはいえ、堺君もまた深呼吸などして御対面に臨んだに違いなく。
■なかなか秀吉に屈服しないこの関東の覇者の所に説得に向かう徳川、上杉、真田の重鎮たちの立ち位置はまるで大相撲のこれより三役の様な扇型だった。信繁を含めこの御大たち誰もが皆その背負ってたつものの重さを身に沁みてわかっており、その場は説得というより、それぞれの歴史観、人生観が表れる場面として興味深かった。結局氏政は椀一杯の汁かけ飯を胃に入れてから切腹に臨んだ。 ■彼にとって最後の頼みの綱だった伊達政宗の小者(こもの)ぶりも目立った。媚びへつらう人をやらせたら右に出る人もいない(実際、彼は自分の右側に人を立たせたくない身体的な理由があるのだ)長谷川朝晴の抜擢は嬉しい。前回は白装束で来たと思ったら今回の餅つき大会では赤い衣装だった。リンダリンダじゃなくてズンダズンダが聞こえてきそうなサラリーマンネオ風大河。そうか、信繁と同い年だったのか。近い将来の再登場が楽しみだ。 ■小田原が落ちたことで秀吉の天下統一はほぼ完了。形の上では戦国時代も終焉を迎える。しかしこれから先は戦いなどまるで起きない平和な国家ができあがるのかと言えば、それはまた別の話。天下人は身内に起こる不幸のためにさらにまた猜疑心の塊のような暴君になる。 ■豊臣秀吉役者としてすっかり小日向文世が定着してしまった。緒形拳、竹中直人と並ぶ三大秀吉役者。ルックスでは笹野高志、エキセントリックさでは岸谷五郎、数多くの名優がこの役に挑んだけれど、飄々さという意味では今回の小日向秀吉は出色。ひょいと出る尾張弁の軽さといい、バタバタ走ってきて寧(この鈴木京香もまた良いんだ)に甘える仕草といい、残酷さと軽薄さとのアンバランスの凄みを感じる。 ■次週で全50回の折り返し。三谷大河の設計図によれば節目には必ず何かしらの大事件が起こる。そういえば「新選組!」の25回はたしか新選組誕生の回。芹沢鴨暗殺があったのもその回だった。そしてあの「友の死」が33回。堺君はもう少しで最長出演を上回るわけだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/06/19 09:14:16 PM
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