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カテゴリ:高校時代
私のクラスに、すらりと背の高い、色白の、
美しい女性徒がひとりいた。 鼻は優しく通り、目は子リスの様、眉も、うっすらと形よく、 口紅もぬっていないのに、ぷくっとしたやわらかそうな、 ピンクの唇もかわいかった。 恋人でもないのに、ある男生徒から切手帳をプレゼントされた。 その男の子が、小さなころから、ずっと長い間収集した、 宝物の切手帳だったのに、 「ふ~~んありがと~」の言葉をあげただけだった。 そんな彼女だったが、親が冷たくて、一緒にいたくないと言っては、 時々、私にぐちをこぼした。 お互いに、大学生だったころは、度々私の部屋に泊まって、長く話をした。 私が、 <結婚したら、絶対良い妻になるし、良い母親になるつもりだ> と、言うと、さもさもびっくりしたように、 自分には、そんな自信は無い、 結婚には夢がないと言うので、こちらの方が、驚いたものだ。 その後、ステキな彼ができて、しあわせな結婚をしたかと思ったが 家庭内では、暴力男に変貌したそうだ。 クラス会で、出合ったとき、 タバコの火を押しつけられた痕を私に見せて、別れたと言った。 今は、ひとりで暮らしている。 美人なのに愛されない人生だったけど、一生は長い。 これからしあわせをつかんでほしい。 どんな形かは、わからないが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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