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カテゴリ:30代
ある、地方に住んでいたころ、
我が家の子供達が順番に水疱瘡になって、 ついに幼稚園児の長男が罹った。心配していた日の朝、発疹が出た。 その朝は、長男が卒園記念発表会の日で、 トリの演目の、大切な劇の主役だったのだ。 青くなった。 もし、出演したら、みんなに移る。 潜伏期間をへて、みんなにぶつが出るのは、丁度卒園式の頃だ。 卒園式に出られない児童が出る。困った。 でも、出演をしなかったら、このトリの劇を一番たのしみに待っている 皆様に申し訳がたたない。 全く!よくよく酷い目に遭う運命の私だ。 担任の先生に電話をかけた。 若い先生は泣くように叫んだ。 「私は、聞かなかったことにしてください!」と。 そして、家で、劇の扮装をさせて、出番ぎりぎりのところで、 さっと息子を裏門から連れて行き、出演して、また、さっと連れて帰る。 こういう手はずを懇願された。 わたしは、どっちにしろご迷惑をかけるんだから、 先生の仰るとおりにすることに決めた。劇は、大成功だった。 それでも、卒園までは、「誰にも病気が移りませんよう」と、神に祈るのだった。 卒園式の当日、園児たちは、みんな元気であらわれた。よかった! 長男の結婚相手の役で、長男と手をつないでダンスをした 赤いほっぺのぶさいくな女の子も、 王子様が本当に愛する恋人役をしたかわいい色白の女の子も 元気であらわれた。セーフ!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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