|
テーマ:海外生活(7771)
カテゴリ:イスタンブールの生活
日本でも100年に一度ともいわれている今回の経済危機は生活に大きなダメージを与えているようですが
ここトルコでももちろん諸外国の例に漏れず経済危機の影響は市民生活に大きな影を落としつつあります。 2,3年前にイスタンブールで職を失い、故郷のエディルネに帰っていたトルコ人の友達一家がイスタンブールで夫婦ともども職を見つけ、意気揚々と慣れ親しんだイスタンブールに戻ってきました。 仕事を始めて忙しいことだろうと、ついつい家は近いのにご無沙汰していたある日、ふと気になって電話をしたところ、在宅ワーカーのはずなのに誰も出ません。 翌日彼女から連絡があって話しているとなんとまたもや夫婦ともども職を失ってしまったのだとか。 冬でガス代も値上がりし(また値下げをしたりもしましたが)、家も賃貸。 収入もなく頭を悩ませている様子。 聞けばとある主にドイツ人向けにツアーを売っている大手の旅行代理店で働いていた彼女。この経済危機で2ヶ月給料がもらえなくなりやめたのだとか。 そんな折、ご主人も大手の皮革メーカーの品質管理部門にいたのだけれど、商品が売れなくなり稼ぎ時の冬場にこれまた3月まで無給休暇なのだとか。 テキスタイルの仕事を何年もやってきたお友達もこの不況で職を失い、彼女も職探しの真っ最中。後3年半働けば年金需給要件を満たす彼女、この要件を満たすためにも必死なのだけれど世間は経済危機の真っ只中。なかなか思うようには行かないよう。 インフレ率にあわせて給料アップなんて景気のいい話題が出るのは公務員くらいでしょうか。 3月に選挙を控え選挙戦も加熱しています。 どこかの首相ではないけれどトルコでも200~500TL相当のくじで国内の経済活性化をはかる案があるようです。 うれしいけれど、方法によってはなんだか裏で500TLばっかり当たるように処理する人が出そうな気がしますよ。 そんな中、ショッピングセンターは閑散としているのかというと それなりににぎわっているのです。 ニュースを見れば「ちっとも売れない」なんてぼやく小売店のコメントもよく聞かれますが ちっともでしょうか?いやいや、皆さん手に手に買い物袋を提げ颯爽とお店から出てきますよ。 いったいどこにそんなお金が… そんな疑問に答える番組がありました。 カナルトゥルクで始まった「クリズデイズ」(経済危機のさなかで) 3組の新婚夫婦のお宅を訪問して家計診断し、収入と支出のバランスを検証、どこにムダがあるのか、適正な支出なのかを各挑戦者家庭を訪問して分析 9.90TLの予算(現在600円くらいでしょうか。危機以前なら1000円程度というところでしょうね)で7人分の食事を作るなんていう経済感覚を存分に問われるプログラムも組み込まれています。最終的にはおそらくポイントを合算して優勝者に何らかの賞金が支払われる番組だと思いますが(なんせ、トルコの番組は宣伝が10分近くと長くて20時に始まる番組を最後まで見るだけの気力が続かず…) 私が視聴したのはちょうど家計診断の回。 クレジットカードの支払い金額が収入をはるかに超えるカップル 毎月固定で出て行く支出が収入の90%近くに及ぶカップル 7枚のクレジットカードを使い分けるカップル(7箇所から収入があるわけでもないのに…) 交際費に月9万円近くを使うカップル …これぞトルコの、特にイスタンブールなど大都市のトルコ人一家の縮図! と叫びそうになりましたよ。 もちろんつつましく、過ごす方も少なくはないのですが 一時期カードの何たる過を知らずに使いまくり、カードから借金をしカード破産においこまれた人が大勢でて、カードの無料、無制限、無計画な市民への配布が少し影を潜めてはいましたが、やはりいるのです、カード信者。 よく見かけるのですよ ショッピングセンターでカードの支払いの段階で支払いができないで(限度額を超えているよう)他のカードを何枚も出していく人 バスの中で親御さんに「カードから50TL(経済危機の前だと5000円くらいの価値でしょうか)のブラウスを買いたいんだけど、いいかしら?だってもう最後の1点で普段は90TLだって言うから取り置きしてもらってるのよ」なんて電話をかけているまだ20歳前くらいの女の子。 チラシを見れば高価な電化製品は分割払いの場合の一回の支払い額が大きく記入されるか 安く見えるようにユーロ表記(トルコリラで給料もらっているのにね。ちなみに1ユーロは2TL近くです。) 1ヶ月に20TLの支払いなら大丈夫そう、なんて必要かどうかも吟味せず、最終的な支払額は目の端に追いやり物欲を満たす。 ここが落とし穴なのです。 日本の主婦向けの雑誌、そうでなくとも新聞の生活欄をみれば 貯蓄の話が絶対どこかに載っていませんか トルコで最近ある新聞を定期的に読んでいますが ・・・ありませんよ。週に一回投資の別紙はついて来ますが・・・。 結婚当初、生活を日本で始めた時に 家計簿をつけている私 そして、一時期は給料の支出目的別の袋分け方法なんてことまでやっていた私を 「無駄なこと」なんて鼻で笑っていた夫。 いまや 「いやーぜひ、やってくれ。さすが日本人」と言う始末。 さて、経済危機の出口はいずこ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[イスタンブールの生活] カテゴリの最新記事
|