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今回もラウンドアバウトの話です.
図はラウンドアバウト式交差点.2本の道路AとBが直角に交差しているほか,もう1本の小さな道Cも合流している.交差点の中心を取り巻いて,2車線の道路が環状に置かれている.これがラウンドアバウト. 道路Aは1.5車線程度の道幅.道路Bは2車線,としておこう. いま道路Aを画面左から進んできたクルマが,左折して道路Bに入るときは,図の赤い線のように動く.左折でなく直進の場合は,青い線のようになる.直進といっても,ラウンドアバウトでは真っすぐ進むことはできない. で,右折するときは,緑色の線のようになる.ラウンドアバウト(2車線)の内側の車線に入ってから,少し早いめに外側の車線に移り,そして左折する.後続車などの関係で外側の車線に移りそびれたら,もう1周すればよろしい.ラウンドアバウト内のクルマは,新たにラウンドアバウトに入って来ようとするクルマより優先される,というのがルールだ. このラウンドアバウト方式の長所をもう少し書いてみる. まず,ラウンドアバウトに到達したクルマは,とにかく真っすぐは進めない.どうしても減速を余儀なくされる.こうして速度が出過ぎるのを防ぐことになる.対して信号式では,信号が変わらないうちにと考えるのか,減速しないで交差点に突っ込む直進車がいる. ラウンドアバウトではUターンも容易である.直進や右左折と同じ方式で処理できる.いっぽう信号式交差点では,Uターンは他車にたいへん迷惑であることがある. 信号式では,大きな道路のほうが「優先」される.大小2つの道路が交わるときは,小さな道路のほうが信号待ちの時間が長い.そのように設定されていることが多い.何事につけ優劣上下の順位をつけたがる,しこたま官僚的なルールである. 単純な十字路でなく,図の道路Cのような道が1つあると,どういう複雑な信号を設置しないといけないだろうか.おそらく道路Cから出て来るクルマは,極めて冷遇されるだろう.こうして日本人は大勢(多数派)に従うように習慣づけられる.信号式とちがって,ラウンドアバウト式ではみな平等である.「先に来たものが優先」という単純なルールがあるだけだ. 英国ではラウンドアバウトの入り口には「give way」という標識が立っている.ラウンドアバウト内にいるクルマの進行を妨げないように「道を譲れ」という趣旨である.無意味な一旦停止を強要されることはない.運転者は交通の状況を自分で確認し判断する. いっぽう日本のルールでは,赤信号や一旦停止など,命令に機械的に従う思考停止ロボットであることが要求される.日本の他の制度と同様,交通ルールもまた,国民が自主的に思考することを嫌悪する,これまた実に官僚的なルールになっている. 何にでも優劣をつける発想を警戒しよう.広い道路の優先,直進車の優先,などは,広く適用されすぎていないか? ルールは必要であるが,必要以上であってはならない. 日本人は思考停止ロボットにさせられてないだろうか.その状態に慣らされ過ぎてないだろうか. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 7, 2011 09:34:02 AM
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