101471 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

さよなら原発・江東

PR

全17件 (17件中 1-10件目)

1 2 >

放射線・放射能解説

2012.02.08
XML

最近、更新が滞っていて、申し訳ありません。連載も今回で一区切りといたします。

この連載をはじめようと思ったのは、ベクレルとかシーベルトといった言葉が世間で飛び交って割に、あまり理解されて使われていないように感じたからです。「ベクレルとシーベルトの換算は?」という質問を耳にしたり、水道水の汚染が問題になったときに「煮沸すればいいのか?」という会話が交わされたなどの話を聞くことが何度かあり、そう感じました。こうした運動にかかわる以上は、自分自身も専門家まではいかなくても、説明できる程度の知識は身に着けておくべきと思いました。

連載で心がけたのは、議論されている数字をイメージできるような量に換算することでした。巷の説明ではその部分が欠けていると思い、議論されている量を放射性物質の質量(重さ)に換算し、きわめて微量な量であることを示してみました。

放射線や放射能の厄介なところは、低レベルの被爆や汚染は人体には確率的な影響しか与えないということです。そのために、安全を巡っての論争になってしまうことです。

よく年間100ミリシーベルト以下の被爆で癌の発症率の増加はないというデータを根拠に、それ以下は安全という主張する人がいます。データには嘘はないと思いますが、安全といいきるのは飛躍と思います。外部被ばくで癌に限ればというケースはそうだとしても、それ以外の条件については分からないと答えるべきでしょう。ましてや、原発事故で環境に放出されたセシウムやストロンチウムなどは生命活動には必要のない元素で、それが環境や食物連鎖の中でどのように循環するかは、研究が始まったばかりです。かつて政府が言ったように「ただちに人体に影響はしない」という言説は正しいですが、今後については長期に監視、研究が必要ということは忘れてはならないと思います。

「覆水盆に返らず」という諺通り、除染の努力は必要ですが、残念ながら原発事故前の状態に戻すことは不可能です。放射線や放射能とはどういうものかという知識を持って、対処していくしかないのだと思います。今後も生活の場の線量測定や、食品の放射能、放射性物質の検査とその結果の公表させることは重要ですし、納得のいく安全基準とそれを守らせることも求められるでしょう。

この連載が、そういうことを考えるための基礎知識を得る一助になればと思います。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.02.08 15:01:19
コメント(0) | コメントを書く


2012.01.29

後一回と予告しましたが、今回では完結しそうにありません。あと少しなので、お付き合いください。

今日は天然の放射能について、どの程度の量かを推定してみたいと思います。原子炉内などで人工的に作られた放射性物質以外に、天然にも微量ながら放射性物質は存在しています。20世紀初頭にキュリー婦人をはじめ物理学者や化学者が研究していたのは、天然の放射性物質やそこから放出される放射線でしたし、原子力発電に使われるウラン235も天然に存在しています。

生物の中にあるものとしては、カリウム40と炭素14という同位体が主なものになります。カリウム40はカリウ元素の0.0117%の割合で存在し、半減期が約12億年になります。炭素14は炭素元素の0.00000000012%割合で存在し、半減期が約57000年になります。

人体の中でとの程度のキログラム当たりのベクレル数になるかを計算してみたいと思います。そのためには体重1kg当たりのカリウムと炭素の量が知る必要があります。知れべてみるとカリウムが2g、炭素が180gになります。存在比率からカリウム40と炭素14の人体1kg当たりの個数は以下のようになります。

カリウム40 :約3,000,000,000,000,000,000個

炭素14   :約8,000,000,000,000個

以前、Nを放射性同位体の個数、Tを半減期(秒)とすると以下の計算式でベクレル数を計算できると説明しました。

0.693x(N/T)

これを当てはめると

カリウム40:約50Bq/kg

炭素14:約3Bq/Kg

となります。

調べた数字と若干違いはありますが、概算としてはそれほど間違っていないものと思います。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.29 23:04:57
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.26

今日は放射性物質の厄介な側面について触れたいと思います。今まで、説明したように微量で簡単に基準値を超えるだけでなく、さらにやっかいな性質が二つあります。

まず、原発事故で放出された放射性物質をなくすことはできないくて、時間の経過を待つしかないということです。たとえば、ある場所にセシウム137がたまり放射線を出していた場合、放射線の量が1/10以下になるにはどのくらいの時間が必要であるかを考えてみます。

半減期が約30年ですので、30年で半分、60年で1/4、90年で1/8、120年で1/16となりますので、およそ一世紀かかることになります。半減期が2万年を超えるプルトニウムなどは、人類が生存しているか疑問に思えるような時間になります。

よく除染という言葉が使われますが、やっていることは放射性物質を取り除くだけで、放射性物質自体は別の場所に移すことしかできません。今、その保管場所をどうするかでもめていますが、保管場所が決まっても長期間に渡って放射性物質が漏れないように管理し続ける必要があります。

もう一つ厄介なのは、たとえば放射性セシウムと放射性でないセシウムの化学的な性質が変わらないことです。化学的性質が変わらないということは、化学的性質を利用して放射性物質のみを取り除くことができないということです。放射性物質のみを簡単に取り除くことは難しいということを意味します。

単位面積や体積あたりで考えれば、原発事故で放出された放射性物質の量は微量ですが、除染で大量の低レベル汚染物質が発生することになり、それを長期間に安全に保管しなければならなくなるというのが、これから私たちが直面する課題になります。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.26 22:23:24
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.24

今までは、どの程度の量の放射性物質が今議論されているシーベルトやベクレルの値に相当するのかを議論してきました。今回は、原発事故で放出された放射性物質の化学的性質について触れたいと思います。

原子炉ではウランの核分裂反応を利用していますが、その残りかす(死の灰)にはどうのような放射性物質が含まれているかということを知っておく必要があります。

クリプトン85、キセノン133、キセノン135 

これらは化学的には希ガスとよばれ、気体で放出されています。気体ですので、どこかに留まってホットスポットになることもありませんし、水にも溶けたり化学反応することはないので体内に入ることはありません。キセノン133と135の半減期は10日以下ですので、原発が水素爆発して以降大量の放出がないとすれば、環境中には残っていないと考えられます。クリプトン85は10年くらいの半減期ですので、まだ残っているはずですが、大気に希釈されてその影響は無視できると思われます。

・ヨウ素131

ヨウ素は海草類などに多く含まれるミネラルでもあり、生物ないに吸収されます。特に甲状腺にたまりやすく、チェルノビイリ事故ではこれが原因で甲状腺癌の発症は増えたといわれています。

ただ、半減期が8日なので、原発が水素爆発して以降大量の放出がないとすれば、環境中には残っていないと考えられます。原発事故直後に体内に吸い込んだ人たちには将来影響がでるものと思いますが、すでに放射線を放出して別の元素に変わっているので、対策のしようがありません。

 

・セシウム134、137

セシウムはナトリウムやカリウムと同じ仲間の元素になります。食塩が塩化ナトリウムであることからわかるように、水に溶けやすい(イオン化しやすい)という性質をもっています。植物の中にはカリウムを吸収しやすいものがあり、カリウムと同族のセシウムを吸収します。食品の汚染を気にする必要があります。

水に溶けやすということで、雨水がたまりやすいところに集まり、ホットスポットを作ることがあります。下水から汚泥処理施設にたまったり、河川や海の流れ魚などへの蓄積が懸念されます。

半減期も2年と30年ですので、長期的に影響が残ります。NHKの特集でも、研究者が放射性セシウムが雨水とともにどのように移動するかのシュミレーションをしているのが紹介さえれていましたが、河川や海洋に大量に放出された初めてのケースであり、今後どのような影響がでるのかは、研究されつくされているとは言えないようです。

 

・ストロンチウム89、90

ストロンチウムはカルシウムの同じ仲間の元素ですので、体内に入った場合には骨に蓄積されるといわれています。ストロンチウム90の半減期は30年ですので、セシウム同様に長期的に影響が残ります。

その他プルトニウムをはじめ、重たい元素も生成されますが、原発周辺以外には拡散していないといわれています。そのあたりの真偽は確かめる必要はあるとは思いますが、生半可な知識で触れるのは避けたいと思います。放射線量を測るのは比較的簡単ですが、放射性物質を特定するのは容易ではありませんので、研究者の努力に期待するしかありません。

今のところ言えるのは、放射性セシウムとストロンチウムとどう向き合うかということになると思います。このあたりは、設立の会でパネラーを引き受けてくれた権上さんの専門になりますが、なるべく取り込まない、取り込んでも排出する工夫をするということになると思います。そのことについて詳しく知りたい方は、権上さんの資料やパネルディスカッションのDVDをお分けします。このブログの左下のメールフォームからご連絡ください。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.24 18:49:04
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.23

先週からコンクリートに入れる砂利に放射性物質が混じり、高い線量が検出された新築の建物のニュースが流れています。中には原発事故で避難したかたが入居されたケースもあり、やるさなさを感じてしまいます。

前回までの話で、微々たる量の放射性物質と対峙していることが分かったと思います。汚染されたコンクリートも、セシウム137が1kg中に一摘みもない量が混入しているレベルと思います。土やアスファルトの表面に付着しているのであれば、洗い流すなり表土を取り除けばいいのですが、建物を壊さないでコンクリートの内部に入っているものを取り除くのは困難でしょう。

さて、今日の本題ですが、シーベルトの計算のこときに、α線やβ線のように人体の表層でほぼ100%吸収される場合にシーベルトの算出法について悩みました。専門的な勉強をしないと答えはでないのですが、この疑問から内部被ばくと外部被ばくの差というのは理解でいると思います。

α線はウランなどの重い元素の崩壊で発生するので、あまり考える必要はないのでしょうが、今問題になっている放射性物質はセシウム137をはじめβ線とγ線を出します。外部被ばくの場合はβ線は来ている服や皮膚の表層でかなり吸収され、γ線の被ばくの方が問題になることは容易に想像できます。

しかし、体内に取り込まれた場合には、β線は放射性物質の周囲でエネルギーがすべて吸収されますが、γ線は吸収される部分もあれば、対外に逃げる部分もあります。γ線が問題ないとは言えませんが、β線の影響は内部被ばくの場合にはより深刻というのは言えると思います。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.23 14:15:09
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.20

ニュースではストレステストのことや、福島原発の内部の様子をファイバースコープで観察したことなどの報じられています。ストレステストについては、傍聴に行った人からの話が伝わってきていますが、ニュースで言われているような反対派が押しかけたということではなく、第三者が傍聴するのを政府の側が嫌がったようです。原発に批判的な委員は最後まで公開の場で議論すべきと主張して頑張られたとのことです。伝聞なので断定的には言うことはできませんが、情報はコントロールされつづけているということなのかもしれません。

前段が長くなりましたが、本題に入ります。前回までは今話題になっているベクレルやシーベルトという量がどの程度の質量の放射性物質(セシウム137)になるかを計算してみました。今日は、シーベルトに関してですが、そのエネルギー量を分かりやすい指標に換算してみたと思います。

シーベルトは1kg当たりの吸収されるエネルギー量になります。エネルギーは物理の世界ではジュール(J)であらわされ、毎時0.23マイクロシーベルトという量は、1時間当たり1kgの物体(この場合は水)が0.23マイクロジュールのエネルギーを得るという意味なります。もう少し分かりやすい量であるcal(カロリー)に変換すると、0.000000055calになります。

1calはおよそ1gの水を1度温度上昇させるエネルギーになるので、上記の数字を1kgの水の温度上昇に換算すると0.000000000055度の温度上昇させるエネルギーに相当します。

これだけを見ると、何が問題なのかと思われると思います。吸収されるエネルギーがすべて熱に変わればということであればそうなのですが、そうではないところが放射線の厄介なところになります。

放射線のエネルギーが吸収されるメカニズムはいくつかありますが、化学反応にエネルギーを使われることが生命にとっては一番深刻と思います。これが癌や遺伝子の破壊などにつながるからです。

生命の水以外の主要構成物質は有機物で、主に炭素・水素・酸素の原子が結合してできています。放射線一個当たりのエネルギーは、それらの原子の結合エネルギーの約1,000,000倍になります。エネルギーの総量は小さくても、個々の放射線は有機物を変化させるのに十分なエネルギーを持っていることになります。

逆に考えると、放射線より1/1,000,000のエネルギーものが1,000,000倍の個数当たったとしても、有機物は変化しないということになるでしょう。

1/1,000,000のエネルギーに相当する身近なものは、可視光線(光)になります。真夏の炎天下で太陽の下にいる場合は、放射線の被ばくより受ける総エネルギーははるかに大きいでしょう。しかし、熱中症や脱水症状の心配はあっても癌の発症リスクを心配することはありません。(紫外線による皮膚がんのリスクはないとは言えませんが。)

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.23 14:19:54
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.19

前回は、話題になているホットスポットを想定した場合、基準になっている毎時0.23マイクロシーベルトが、どの程度の量のセシウム137かを計算しました。線源から10cm/50cm/100cmの場合、2.4pg/40pg/240pg(ピコグラム)という結果でしたが、あまりにも小さい数字なので、イメージできないと思います。そこで、家庭にある食塩の一粒の重さを計算してみました。

調べてみると、食塩一粒の平均粒径は0.4mmとのことで、直径0.4mmの球の場合の重さを計算してみました。球の体積と密度が分かればいいので、計算してみると約60pgとなりました。

前回計算した質量と同じ程度ですから、ホットスポットと呼ばれる場所は塩一粒程度の量のセシウム137でできることになります。食品の基準である100ベクレルとか500ベクレルは、それより桁が小さい量を問題にしていることになります。

具体的にイメージできる量と比較してみると、こんなに僅かな量を気にしなければならないということが分かると思います。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.19 19:26:14
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.18

少し時間が経ってしましましたが、今日から再開します。前回は、セシウム137から出るγ線を想定した場合、1立方センチの水に一時間に約25000個のγ線が当たると毎時0.23マイクロシーベルトになると説明しました。

そこで、放射線源(セシウム137)と放射線が当たる水が以下のような位置関係にある場合に、線源がベクレル値を概算してみます。距離は10cm、50cm、100cmで計算してみます。

以下の前提での計算をします。

・空気による放射線の減衰は考慮しない。

・線源は点としてあつかう(何かの物体中に混じっている場合には、空気中にでるまでの減衰を考慮する必要がある。)

・セシウム137のβ崩壊の際、必ずγ線を放出する。(文献によると5%程度はβ線のみでγ線を出さない崩壊をするようですが、概算なのでこのような前提を入れます。また、正確にはγ線はセシウム137がバリウム137に変化したのちバリウム137から放出されます。バリウム137の半減期は2分ほどなので、セシウム137の30年より十分小さいので背シム137のβ崩壊と同時にγ線が放出されたみなします。)

・水は線源から見て1平方センチの面積を向けているとする。

放射線は特定方向に出るわけでなく、ランダムに四方八方に飛んでいきます。従って線源から放出されたγ線が水にあたる確率は、1平方センチを線源と水の距離を半径とする球の表面積で割ればいいことになります。

球の表面積は 4x(円周率)x(半径)x(半径)になりますので、

10cm:0.8%

50cm:0.05%

100cm:0.008%

になります。

1時間に25000個のγ線が当たるには、線源から1時間当たり

10cm:約3000万個

50cm:約5億個

100cm:約30億個

のγ線が放出される必要があります。ベクレルは秒当たりでるので、秒当たりにすればベクレルになります。

10cm:約8000ベクレル

50cm:約13万ベクレル

100cm:約80万ベクレル

となります。以上は外部被ばくを考えた場合には、かなり高いベクレル数となります。しかし、セシウムの重量に換算すると以前微量になります。

10cm:約0.0000000024g(2.4ng)

50cm:約0.00000004g(40ng)

100cm:約0.00000024g(240ng)

(以前の100ベクレルが約0.00000000003g(30pg)という計算結果を使用)

A.jpg

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.18 18:56:12
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.10

計算に必要な物理定数の確認、検算などに少し時間がかかってしまいました。今日は1立方センチの水がどのくらいの放射線を受けると、今問題になっている毎時0.23マイクロシーベルトに相当するかを見ていきたいと思います。

議論する前提として、放射線種とそのエネルギーを決める必要があります。いろいろ調べましたがセシウム137からでるγ線(β線も出ていますが)を使うのが一般的なようです。放射線計測装置の基準として使われているようです。

吸収線量を決めるのは、放射線のエネルギーと数、当たる物質の種類になります。前回書いたように小さいサイズなので、当たる物体の形状は無視できるとします。

セシウム137から出るγ線は平均的に0.66MeVというエネルギーを持っています。一個の電子を66,000Vの電界で加速したときと等価なエネルギーです。このエネルギーのγ線は水中を平均11.7cm進むことがわかっていて、γ線のエネルギーとこの距離から吸収線量が計算できます。

仮に1立方センチの水に一個のγ線が入ったときの吸収線量は0.0000089マイクロシーベルトになります。0.23マイクロシーベルトに到達するにはγ線が25000個が必要になります。つまり1時間に25000個に1立方センチの水にγ線が入れば毎時0.23マイクロシーベルトということになります。

いくつか前提をつける必要がありますが、これがどの程度のセシウム137の量、ベクレル量になるかを計算してみたいと思います。それは次回に。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.11 00:55:26
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.08

仕事の関係と、吸収線量の計算を調べていたために更新が滞ってしまいました。

吸収線量(シーベルト)の概念説明はいくらでもあるのですが、その計算方法まで説明はほとんど見当たらないのが現状のようです。単位時間当たりの放射線の放出個数(ベクレル)や放出されるエネルギー量は定義も明確で、放射性物質の種類と量が分かれば一義的に決まります。しかし、吸収線量というのは、単純に決まるものではなく、そのことで一般向けの説明では計算方法まで明示していないものと思います。

吸収線量は、放射線の種類、そのエネルギー、物体の原子構成、形状で決まります。最初の2つは前提条件を決めればいいですし、物体の原子構成は人体の場合は水と仮定すればいいのですが、最後の形状については調べた範囲ではどういう前提をしているのか書かれたものはありませんでした。

一例を出すと、以下のような立方体の物体に一様な放射線がある面に垂直に入射した場合を考えると、当たる面によって吸収線量は異なります。物体が小さい場合には形状に関係ないという近似が成り立ちますが、人体に比べるとはるかに小さい体積になります。具体的にはγ線と水の組み合わせ場合は、荒い近似でも1cm立方以下である必要があります。(γ線のエネルギーによって異なります。)

吸収線量.jpg

それから、α線、β線、γ線の遮蔽についての説明で、α線は紙一枚で、β線は金属の板、γ線は鉛の塊で遮蔽できるという説明がよくされています。α線のように透過しにくい放射線の場合には、さらに小さい体積でないと前述の近似が成り立たたないことになります。

専門的な計算式までは筆者の能力を超えるので、γ線で物体の形状に依存しないで議論できるサイズでの吸収線量について、次回議論してみたいと思います。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
にほんブログ村







Last updated  2012.01.09 00:54:24
コメント(0) | コメントを書く

全17件 (17件中 1-10件目)

1 2 >


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.