【ネタバレ感想】20年間服役していた女性が守りたかったものとは!?消えない罪(2021)
暴力を働いて刑務所に送られていた、ルース・スレイター (サンドラ・ブロック)。刑期を終えて出所した彼女だったが、犯罪を犯した者を決して許そうとはしない社会の冷たさを感じる。故郷に戻るものの、そこでも人々からの厳しい批判や叱責を受けたルースは、犯してきた罪を償う意味も込めて、やむを得ぬ理由で置き去りにして離れ離れになったままの妹を見つけ出そうとする。人知れず苦痛に耐え忍んできたルースの真実に胸がヒリヒリと痛む!こちらはNetflixの映画。の、割にはおもしろかったよ笑いかんせんNetflix作成の映画に対する評価は、、まあ、正直あまり高くないというのが本音。だからこそ期待してなかった分、本作は普通に楽しめる部類だった。あくまでNetflix製作の映画の中ではの話だけど笑お話はある女性、ルースが保護観察官に付き添われて保釈されたきたところからはじまる。彼女が行った犯罪は警官殺し。20年服役し、この度模範囚として仮釈放した形だった。だが、世間の風当たりは強く、ルースは自分を受け入れてくれない毎日に心を閉ざしながら、唯一の肉親である妹の行方を追うために動き出す。妹は20年前、ルースが警官殺しをした現場に居合わせていたが、彼女が服役してからは養子に引き取られて何不自由なく生活していたのだった。ルースは妹に会えるのか、そして20年前の事件の真実とは、、そんな感じのおはなし。まあ感想諸々の前にまず、ちょっとした違和感が一つだけある。それは、べつにこれって妹設定じゃなくて娘でもよくね?ってところ笑年齢のことを言うのは野暮だけど、サンドラ・ブロックは御年57歳。もちろん、そんな年齢に見えないほど綺麗だってことはわかる。スピードの頃からチャーミングさと綺麗さを兼ね備えてきて、歳を重ねてなお貫禄はあるとはいえ美しいと思う。だけど、妹キャサリン役のアシュリン・フランシオーシは今年28歳。実に年齢差は30歳で、これだったら娘という間柄でもよくない?って普通に考えてしまう。なにか妹にする絶対的な理由でもあるのかなって思ったけど、、娘だったら感情が深くなりすぎるからとか?親を亡くして歳の離れた妹を育ててきたルースにとって、キャサリンは娘同然とか?なにか歴とした理由があったのか、作中ではわからなかった。この年齢差のある姉妹、という設定が個人的にはずっと違和感だったなー厳密にはもうちょっと年の差がない設定なんだろうけど、、なんで?ってなる。ストーリー的には終始、淡々と進む。仮釈放のルースは魚の加工工場で働き、ブレイクという男と知り合うけどなかなか心を開けず。そしてルースに父親を殺された兄弟は彼女に復讐の機会を伺い、最終的には人違いでケイティではなく、ケイティの養子先の妹(多分、この子も養子っぽいのかな)が巻き込まれて、、この、父親が殺された兄弟、最初はお兄ちゃんの方?が「あいつ親父を殺しといて20年だけで出所してきやがったゆるせねー」って感じだったけど、それをとめてた弟の方が徐々にルースに対する嫌悪と復讐心を持つのが、なんかリアルだった。口に出している側よりも、口に心を出さない側がより過激になるかんじ。この弟の環境も丁寧に描かれていて、人工呼吸器をつけて先の短い母親が横たわるベッドの壁に、在りし日の父親が保安官としての職務を果たして活躍している新聞の記事が飾られてて、、夫を、父親を失ったこの家族も、この20年間辛かったんだろうなと感じさせた。(暴走するきっかけが妻と兄の不倫なのが気の毒すぎるけど)で、それに比べてルースはちょっと身勝手かなーとおもったりするかな。ルースが昔自分が住んでた、そして事件現場にもなった家を訪ねて、現在の持ち主と知り合うのはちょっと、、ってなるよ。しかも偶然にも家主は弁護士。この弁護士の妻の言い分は正しいよ。殺人犯が殺人現場に戻ってきたんだから、身元がわかってたら悠長に会話なんて出来ないし、普通はしないよね。子供達も危険だし。あと、やっとの思いで里親に会えるってなってもさーいちいち感情的すぎる。そりゃ、里親の態度もこれまた正しいよ。今のルースにケイティを合わせるのは悪影響しかない。ケイティの人生にルースを介入させないことが、親としての役割だと思うのは当然。で、ルースは切れる。ブチ切れる。せっかく自分の得意を仕事にするために得たリノベーションの現場で暴れまくる。だめたこりゃ、、と、思いきや実はルースが警官を撃ったわけではなかったというどんでん返し。ショットガンで警官を撃ったのは、当時まだ5歳のケイティの方だった。この真実を知ると、ルースに対する見方が180度かわるのが、この映画のキモかな。ルースがどれだけ耐え忍んできたのか、妹を守るために数々のことを、人生までをも犠牲にしてきたのかがわかる。そして泣ける。まじ、泣ける。で、最後はいろいろあったけど、ルースはケイティと再会する。ルースの20年は、ケイティが健やかに育っているのをちゃんと確認してこそ報われるんだろうな。やっと妹を抱きしめることができたルースの表情がいい。何よりも大切で人生をかけて守った存在をちゃんと確かめるように抱きしめるシーンがいい。本当にいいラストだった。主演のルース役はサンドラ・ブロック。まあ、あれだね、味気ない話しをすると、サンドラ・ブロックが主演してて、ただの人殺しの 前科者というだけで終わるはずはないと思ってたよ、一応。それでもルースが真実を口にした場面は胸がえぐられるほどひりひりした。さすがの一言。彼女は本当にコメディからシリアスからこなせる魅力的な俳優さん。そんなルースの年の離れた妹役は先述の通りアシュリン・フランシオーシ。初見さんです。なぜか自分も前科者なのにルースの前科にビビってルースの素性が職場に知れ渡る原因を作った真面目にダサ男であるブレイク役はジョン・バサル。ブレイクに関しては「送ろうか?」みたいに誘ってルースを車に乗せたあと、自分がドラムを演奏するバンドの曲を聴かせるあたり、、うん、こういう奴いるわってなった。まじやめた方がいいよ、君のそういうところ。ジョン・バサルは言わずもがなウォーキング・デッドのシェーン。シェーンは結構好きだったんよ、、現実主義な必要悪なところが。ある意味事故物件に住んでる弁護士のジョン・イングラムはヴィンセント・ドノフリオ。wikiみて初めて気づいたけど、メン・イン・ブラックのエドガーだ!懐かしすぎる!そんな彼の妻はヴィオラ・デイヴィス演じるリズ。「殺人を無罪にする方法」の人という印象しかないなーこのドラマもみたことないし。今作は殺人は無罪にならなかったけど、言ってることは100%正しい。