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C22トイガン備忘録

2024.04.28
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カテゴリ:モデルガン
​​​​​​今回は
タナカ
九九式短小銃を
紹介します。



九九式小銃は
それまで使用されていた
38式歩兵銃の
口径6.5mmと異なる
口径7.7mmの弾薬を使用する
小銃として
1939年(皇紀2599年)に
制式化されました。


当初長さ797mmの
銃身(バレル)がついた
「九九式小銃」が
生産されていましたが
その後すぐ
長さ657mmに短縮した
「九九式短小銃」の方が
量産されました。


今回紹介するのも
「九九式短小銃」の方です。


モデルガンの
「九九式短小銃」は
月刊コンバットマガジン
1982年12月号にて
「日本の軍用銃シリーズが
中田商店から
発売されることが決定。
その第1弾"99式短小銃"の
プロト・タイプが完成した。
(中略)予定価格\40,000前後
11月上旬発売予定。」
と紹介されています。


なお、月刊Gun1983年5月号で
紹介された際の
販売価格はカートリッジ 5発
装弾子(クリップ)付きで
\45,000です。


その後、製造元である
(株)タナカからも
販売されるようになり
現在(2024年4月時点)も
(株)タナカより
発売が続いていますが
当時の物とは様々な点が
異なっています。





同じタナカ製モデルガン
三八式歩兵銃(借り物)
との比較


最も異なる点は
カラーリングです。
現在の物は機関部が
「グレースチールフィニッシュ」
という
灰色がかった色になっています。
また、ストックも渋めの
ブラウン仕上げになっています。


ちなみに
「九九式小銃外4点仮(準)
制式制定及陸軍技術本部
研究方針追加の件」
JACAR(アジア歴史資料センター
Ref.C01004909300、
密大日記 第16冊
昭和15年(防衛省防衛研究所)
のうち
「概観上」には
「円筒槊杖弾倉ばね等ヲ黒色錆染ス」
九九式短小銃については
「構造機能ハ概ネ九式小銃ト同様」
とあり
銃身の長さと
負革の構造以外の
変更点はありません。


このことから製造時
灰色に染められた
九九式短小銃は
無かったものと考えられます。



細かいところの違いとして
単脚(モノポッド)の
開く角度が
中田商店のものより
大きくなり
実銃とほぼ同じく
銃身に対してほぼ垂直まで
開くようになりました。




逆に同じ点としては
菊の刻印の花びらの数が
実銃では16枚なのに対し
15枚である点があります。




初期の九九式短小銃が
三八式歩兵銃と
最も異なるのが
高射表尺
(對空表尺、対空照尺とも)
です。

使用法としては
600m先の航空機に対し
照星(フロントサイト)と
照星(リアサイト)を
照準位置にあわせ
時速300km/hなら端
200kmなら溝の部分に
航空機が来た時に
発射すると命中する
とのことです。



遊底被(ダストカバー)

機関部の溝に沿って
装着します。
写真のものは
タナカ純正ですが
そのままでは穴の部分が
小さすぎて
装着できないため
穴を広げる必要があります。

「6.陸普第1404号
昭和19年4月8日
銃器負革及小銃遊底被使用に関する件
陸軍一般へ通牒」JACAR
(アジア歴史資料センター)
Ref.C12120687400、陸軍省令.
告示.陸普.陸達.陸密.
陸亜普密等綴
昭和19年度(防衛省防衛研究所)
ではダストカバーの
「装備部隊又ハ使用者」として
「1 満州及支那ニ在ル部隊
 2 右以外ノ部隊ニ在リテハ
特ニ必要アルトキハ
使用スルコトヲ得」
とあり
砂塵の影響を受けやすい
中国戦線での使用をメインに
想定していたことが伺えます。

遊底被を装着した状態で
ボルトを操作すると
「カシャーン」という
金属音がしてかっこいいです。
ただ、実戦での使用を考えると
うっとおしく感じるかも
しれません。




カートリッジ
左から
モデルガンのカートリッジ
九九式普通実包
.30-06スプリングフィールド弾
ダミーカートです。


ダミーカートのほうが
長いです。


警察予備隊では
.30-06弾仕様に
リチェンバリングされた
九九式短小銃が
使われていた時期がある
そうですが
カートリッジの
長さが違うため
使用には
やや無理がありそうです。





装填
クリップを使用し
5発まとめて装填します。
ダミーカートを
マガジンに装填することは
できますが
チャンバーの深さが
足りないため
ボルトを閉じることが
できません。


また、実物クリップは
モデルガンのものより
幅が狭いので
使用できません。




安全装置
右はPPS製ガスガン
kar98K


弾を薬室に装填した状態で
左側に傾いている
半月形の切り欠きが
真上に来るように
手のひらで前方に押しながら
時計方向に回すと
安全装置がかかります。

この状態では
引き金を引いても
ファイヤリングピンが
前進しません。
また、ボルトも引けなくなります。
セフティを逆に回すと
安全装置が解除されます。

親指でだけで解除できるうえ
構えたときに視界を遮ることで
安全装置がかかっていることが
一目でわかる
モーゼルkar98kの
セフティと比較すると
使い勝手は悪そうに思いますが
この構造により
ボルトの部品点数が
少なくて済むほか
後述する分解のしやすさにも
つながっています。




普通分解


「99式短小銃」
JACAR(アジア歴史資料センター)
Ref.C13010760800、
兵器業務の参考
 昭和15~19年
(防衛省防衛研究所)では
詳細な分解手順が記されており
一般兵が行う普通分解では
以下の部品を
取り外すとしています。

・負革
・遊底
・さく杖
・弾倉ばね及弾受




最初に負革(スリング)を外し
槓桿(ボルトハンドル)を
引いた状態で
遊底止め
(ボルトストップ)を開け
徐々に遊底(ボルト)を引いて
取り外します。




ボルトの分解は
安全子(セフティ)を
右方向に回して
取り外したのち
撃茎(ストライカー)と
撃茎ばね
(ストライカースプリング)
を取り出します。
結合は分解と逆の手順で
行います。





さく杖(クリーニングロッド)
実銃では
さく杖止め
(画像の丸い金属部分)
を押して取り外しますが
モデルガンでは
これがダミーであり
さく杖に切られた
ねじを回すことで
取り外せます。




トリガー前の
弾倉底板止め
(フォローアプレートストップ)を
引けば弾倉底板
(フォローアプレート)が
開いて弾倉ばね
(マガジンスプリング)が
取り出せます。


これ以上の分解は
「特別分解」に当たり
ドライバーを使用しての
分解になります。




分解



薬室(チャンバー)
モデルガンであるため
銃身までは抜けていません。
かわりに発射ガスが通るための
バイパスが付いています。




引き金(トリガー)


トリガーを引くと
逆駒(シア)が下がり
ストライカー
がバネの力で前進して
撃発します。





銃床(ストック)


かつてのモデルでは
銃床後部の結合が
実銃と同じく
あり溝でしたが
今のモデルでは
省略されています。



ウインドラス製
三十年式銃剣
(真鍮製刀身)

九九式短小銃には
鉤のついていない
後期型の
銃剣が用いられます。





九九式短小銃は
三八式歩兵銃と比較すると
制式であった期間が
短かったため
知名度がやや低い感じがします。


また、一丁ごとに
部品のすり合わせが
行われていた
三八式歩兵銃と異なり
九九式短小銃は
大量生産向きの
銃であったため
しばしば
「動作音が安っぽい」と
言われています。

​しかし
そのような無骨さに
却って実用的な
軍用銃らしさがあり
魅力があると感じています。

そんな九九式短小銃を
再現した
現在のタナカ製モデルガン

色合いなど
やや実物と異なる点が
ありますが
動作性が良く
ボルトを軽快に操作できる
楽しい1丁であると
私は思います。

参考文献
・月刊Gun 1983年 5月
月刊Gun 1984年 11月
・コンバットマガジン
 1982年12月
・コンバットマガジン
 1983年6月
・帝国陸海軍の銃器
 ホビージャパンMOOK
 20212年8月4日初版


​​​日本軍装備にご興味が​
ある方はぜひ♪


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最終更新日  2024.04.28 21:17:57
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