モデルガン タナカ 九九式短小銃
今回はタナカ九九式短小銃を紹介します。九九式小銃はそれまで使用されていた38式歩兵銃の口径6.5mmと異なる口径7.7mmの弾薬を使用する小銃として1939年(皇紀2599年)に制式化されました。当初長さ797mmの銃身(バレル)がついた「九九式小銃」が生産されていましたがその後すぐ長さ657mmに短縮した「九九式短小銃」の方が量産されました。今回紹介するのも「九九式短小銃」の方です。モデルガンの「九九式短小銃」は月刊コンバットマガジン1982年12月号にて「日本の軍用銃シリーズが中田商店から発売されることが決定。その第1弾"99式短小銃"のプロト・タイプが完成した。(中略)予定価格\40,000前後11月上旬発売予定。」と紹介されています。なお、月刊Gun1983年5月号で紹介された際の販売価格はカートリッジ 5発装弾子(クリップ)付きで\45,000です。その後、製造元である(株)タナカからも販売されるようになり現在(2024年4月時点)も(株)タナカより発売が続いていますが当時の物とは様々な点が異なっています。同じタナカ製モデルガン三八式歩兵銃(借り物)との比較最も異なる点はカラーリングです。現在の物は機関部が「グレースチールフィニッシュ」という灰色がかった色になっています。また、ストックも渋めのブラウン仕上げになっています。ちなみに「九九式小銃外4点仮(準)制式制定及陸軍技術本部研究方針追加の件」JACAR(アジア歴史資料センターRef.C01004909300、密大日記 第16冊昭和15年(防衛省防衛研究所)のうち「概観上」には「円筒槊杖弾倉ばね等ヲ黒色錆染ス」九九式短小銃については「構造機能ハ概ネ九式小銃ト同様」とあり銃身の長さと負革の構造以外の変更点はありません。このことから製造時灰色に染められた九九式短小銃は無かったものと考えられます。細かいところの違いとして単脚(モノポッド)の開く角度が中田商店のものより大きくなり実銃とほぼ同じく銃身に対してほぼ垂直まで開くようになりました。逆に同じ点としては菊の刻印の花びらの数が実銃では16枚なのに対し15枚である点があります。初期の九九式短小銃が三八式歩兵銃と最も異なるのが高射表尺(對空表尺、対空照尺とも)です。使用法としては600m先の航空機に対し照星(フロントサイト)と照星(リアサイト)を照準位置にあわせ時速300km/hなら端200kmなら溝の部分に航空機が来た時に発射すると命中するとのことです。遊底被(ダストカバー)機関部の溝に沿って装着します。写真のものはタナカ純正ですがそのままでは穴の部分が小さすぎて装着できないため穴を広げる必要があります。「6.陸普第1404号 昭和19年4月8日銃器負革及小銃遊底被使用に関する件陸軍一般へ通牒」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C12120687400、陸軍省令.告示.陸普.陸達.陸密.陸亜普密等綴昭和19年度(防衛省防衛研究所)ではダストカバーの「装備部隊又ハ使用者」として「1 満州及支那ニ在ル部隊 2 右以外ノ部隊ニ在リテハ特ニ必要アルトキハ使用スルコトヲ得」とあり砂塵の影響を受けやすい中国戦線での使用をメインに想定していたことが伺えます。遊底被を装着した状態でボルトを操作すると「カシャーン」という金属音がしてかっこいいです。ただ、実戦での使用を考えるとうっとおしく感じるかもしれません。カートリッジ左からモデルガンのカートリッジ九九式普通実包.30-06スプリングフィールド弾ダミーカートです。ダミーカートのほうが長いです。警察予備隊では.30-06弾仕様にリチェンバリングされた九九式短小銃が使われていた時期があるそうですがカートリッジの長さが違うため使用にはやや無理がありそうです。装填クリップを使用し5発まとめて装填します。ダミーカートをマガジンに装填することはできますがチャンバーの深さが足りないためボルトを閉じることができません。また、実物クリップはモデルガンのものより幅が狭いので使用できません。安全装置右はPPS製ガスガンkar98K弾を薬室に装填した状態で左側に傾いている半月形の切り欠きが真上に来るように手のひらで前方に押しながら時計方向に回すと安全装置がかかります。この状態では引き金を引いてもファイヤリングピンが前進しません。また、ボルトも引けなくなります。セフティを逆に回すと安全装置が解除されます。親指でだけで解除できるうえ構えたときに視界を遮ることで安全装置がかかっていることが一目でわかるモーゼルkar98kのセフティと比較すると使い勝手は悪そうに思いますがこの構造によりボルトの部品点数が少なくて済むほか後述する分解のしやすさにもつながっています。普通分解「99式短小銃」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C13010760800、兵器業務の参考 昭和15~19年(防衛省防衛研究所)では詳細な分解手順が記されており一般兵が行う普通分解では以下の部品を取り外すとしています。・負革・遊底・さく杖・弾倉ばね及弾受最初に負革(スリング)を外し槓桿(ボルトハンドル)を引いた状態で遊底止め(ボルトストップ)を開け徐々に遊底(ボルト)を引いて取り外します。ボルトの分解は安全子(セフティ)を右方向に回して取り外したのち撃茎(ストライカー)と撃茎ばね(ストライカースプリング)を取り出します。結合は分解と逆の手順で行います。さく杖(クリーニングロッド)実銃ではさく杖止め(画像の丸い金属部分)を押して取り外しますがモデルガンではこれがダミーでありさく杖に切られたねじを回すことで取り外せます。トリガー前の弾倉底板止め(フォローアプレートストップ)を引けば弾倉底板(フォローアプレート)が開いて弾倉ばね(マガジンスプリング)が取り出せます。これ以上の分解は「特別分解」に当たりドライバーを使用しての分解になります。分解薬室(チャンバー)モデルガンであるため銃身までは抜けていません。かわりに発射ガスが通るためのバイパスが付いています。引き金(トリガー)トリガーを引くと逆駒(シア)が下がりストライカーがバネの力で前進して撃発します。銃床(ストック)かつてのモデルでは銃床後部の結合が実銃と同じくあり溝でしたが今のモデルでは省略されています。ウインドラス製三十年式銃剣(真鍮製刀身)九九式短小銃には鉤のついていない後期型の銃剣が用いられます。九九式短小銃は三八式歩兵銃と比較すると制式であった期間が短かったため知名度がやや低い感じがします。また、一丁ごとに部品のすり合わせが行われていた三八式歩兵銃と異なり九九式短小銃は大量生産向きの銃であったためしばしば「動作音が安っぽい」と言われています。しかしそのような無骨さに却って実用的な軍用銃らしさがあり魅力があると感じています。そんな九九式短小銃を再現した現在のタナカ製モデルガン色合いなどやや実物と異なる点がありますが動作性が良くボルトを軽快に操作できる楽しい1丁であると私は思います。参考文献・月刊Gun 1983年 5月・月刊Gun 1984年 11月・コンバットマガジン 1982年12月・コンバットマガジン 1983年6月・帝国陸海軍の銃器 ホビージャパンMOOK 20212年8月4日初版日本軍装備にご興味がある方はぜひ♪KTW 三八式 歩兵銃 アリサカ M1905 (エアーコッキングガン 本体) /エアガン エアコッキングガン 38式 サバゲー 銃価格:96,201円(税込、送料別) (2024/4/28時点)楽天で購入【店内全品3%オフクーポン】タナカ ガスボルトアクション 四四式騎銃 Ver.2 Black 鬼胡桃銃床仕様 44式価格:123,000円(税込、送料無料) (2024/4/28時点)楽天で購入日本軍 弾薬盒 帯革 後期型 三十式銃剣差 複製品 三八式歩兵銃 九九式短小銃価格:17,600円(税込、送料別) (2024/4/28時点)楽天で購入タナカワークス 九九式 短小銃 鬼胡桃銃床仕様 ガスライフル バージョン2 スペアマガジン スリング セット /旧日本軍 旧軍 99式 大日本帝国 皇軍価格:111,630円(税込、送料別) (2024/4/28時点)楽天で購入タナカワークス 九九式 短小銃 Ver.2 ブラック鬼胡桃銃床仕様(ガスガン ライフル 本体) /タナカ tanaka 旧日本軍 旧軍 99式 大日本帝国 皇軍価格:99,014円(税込、送料別) (2024/4/28時点)楽天で購入