確定申告の時期となってまいりました。これは昨年1年間の所得を、2月16
日から3月15日にかけて申告するものです。
株式の取引を行っておられる方で、次の方は確定申告が必要であり有効と
なりえます。
それは、一般口座での株式の取引で譲渡所得のある方、特定口座や一般口
座の取引で譲渡損を繰り越す方などです。
株式配当金の場合は、10%の税金が源泉徴収されておりますので、特に
申告は必要ではありません。しかし、確定申告を行うことで、源泉徴収さ
れた税金が戻ることもありますので、確認をされてはいかがでしょうか。
例えば、株式配当金以外に所得がない方は、株式配当金が所得税や住民税
の基礎控除額の範囲内であれば控除された税金が戻ることになるようです。
具体的には、株式の配当金が30万円の場合、10%の税金3万円が源泉
徴収されています。10%の内7%の2万1000円が所得税分、3%の
9000円が住民税分となっています。計3万円が、確定申告を行うこと
によって戻ることになります。
基礎控除額は所得税の場合38万円、住民税の場合は33万円です。
住民税では基礎控除額を上回ると、市町村によっては納税しなければなら
ない場合があります。
株式の配当金が33万円を超える方は、そんなに多くはないと思われます
し、超えない範囲で申告することもできます。
さらに注意しなければならない事は、配偶者の場合に配当金を含めた所得
が38万円を超えた場合には、世帯主は所得税や住民税の配偶者控除を受
けることができなくなる事です。
このように株式配当金の金額が、所得税や住民税の基礎控除額の範囲内で
あれば、配当所得として源泉徴収された税金が戻ることは理解されました
でしょうか。
次に、一定の課税所得のある方も、配当所得として源泉徴収された税金の
一部が戻るケースがありますので、ご紹介いたします。
例えば、給与などの所得があって株式配当金を受け取っておられる方で、
確定申告を行うと配当控除などの適用がありますので課税所得の金額によ
っては、確定申告をされた方が有利なケースがあるようです。
課税所得が1000万円以下の場合、配当控除の適用があります。控除割
合は所得税では配当の10%、住民税では配当の2.8%となっています。
具体的には、課税所得が195万円超で330万円以下の場合、所得税と
住民税の合計で20%の課税となります。株式の配当所得のある方は
12.8%の配当控除の適用があります。
株式の配当金を所得として申告した場合、実質の課税は7.2%になりま
すので株式配当金として源泉徴収された10%を下回ることになります。
課税所得が330万円以下の場合ですと、確定申告により総合課税を選ん
だ方が税負担も少なく、いったん配当所得として源泉徴収された税金が戻
ることになります。
この場合でも注意点があります。国民健康保険に加入されている方は、確
定申告を行うことで株式配当金が所得に合算されます。その場合に国民健
康保険料が増加することもあります。
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最終更新日
2008.01.11 12:57:14