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カテゴリ:吹奏楽
開催日:2023.12.21(木) 19:00開演
場所 :上田市交流文化芸術センター サントミューゼ小ホール(320名収容) サントミューゼアナリーゼシリーズVol.68 石上真由子ヴァイオリン・リサイタル関連プログラムのアナリーゼワークショップに行ってきました。 プログラム アナリーゼ レポート 最初に今回のリサイタルのプログラムのベートーヴェンのピアノとヴァイオリンのためのソナタについてのお話があり、第1番から第10番が作られた年代がベートーヴェンの作曲家人生全体で見ると前期から中期であること。それについて、石上氏からチェロソナタは後期の作品もあるので、ヴァイオリンソナタももっと作って欲しかったとの音楽家としての気持ちも垣間見えました。そしてヴァイオリンソナタ全体を通してピアノとヴァイオリンとの関係性について、演奏を交えながら第1番から始まる最初の方は、ピアノが主体でヴァイオリンは従という関係性だったが、それはベートーヴェンがもともとヴィルトゥオーゾピアニストとして、自分の作った曲を弾いて世間に広めていたことからくるものであること。それがだんだんと作曲活動に重きを置くようになり、演奏は人を雇って行うようになると、ピアノとヴァイオリンの関係性はベートーヴェン自身がピアノを弾かないので、対等にしても面白いのではないかな…といった気持ちが生まれたのではないか?とのことでした。そしてベートーヴェンの作風について、アレグロコンブリオ、カンタービレといった音楽表現を好んで使ったこと。それはベートーヴェンが、とても素晴らしいメロディーメーカーであったことに他ならないとのお話がありました。ベートーヴェンのお話の締めとして、リサイタルで演奏する第9番の半分くらいが演奏されました。 ワークシッョプ後半は、今回のリサイタルのもう1つのプログラムであるブラームスのピアノとヴァイオリンのソナタについてのお話となり、第1番が日本では「雨の歌」として親しまれているのは、第2楽章の中にブラームス自身が作曲した歌曲「雨の歌」が引用されているためであること。ということで歌曲の方の雨の歌を弾きます!とのことで、演奏を楽しませていただきました。演奏後に、ソナタへの引用時は歌曲より半音上げているとのお話があり、そちらも演奏していただき、同じフレーズでも歌曲とソナタとの雰囲気の違いを感じることができました。そして、話はブラームスとクララへ。シューマンとの三角関係はよく知られることですが、ブラームスはクララの末っ子のフェリックスを特にかわいがっていたとのことで、それはシューマンが若くして亡くなってしまったこともあり、フェリックスをわが子のように愛しんだとのことでした。残念なことにフェリックスは音楽の多彩な才能を持ちながら結核にかかり24歳の若さで亡くなってしまうとのお話もあり、そこはブラームスにとっては痛恨の出来事だったのだろう…と想像するところでした。ワークショップの締めとして、雨の歌の第1楽章を演奏していただきましたが、この曲は私自身、過去何人ものヴァイオリニストが奏でるのを聴いてきたこともあり、そんなことも想い出しつつ石上氏の雨の歌をじっくり堪能させていただました。 アンコールとして、こちらもリサイタルのプログラムであるクララ・シューマンの3つのロマンスより第1楽章を聴かせていただきました。 まとめ 今回のアナリーゼワークシッョプでは、石上氏のあふれる知識と演奏を絡めた素晴らしいアナリーゼワークショップになりましたが、先日の武石公民館のコンサートでも感じたのですが、とにかく話上手で伝えたいことが明快に語られてわかりやすいので、聴き手側としてはすいすいと知識が入ってくる充実感がありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 23, 2023 12:56:50 PM
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