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テーマ:吹奏楽(3462)
カテゴリ:吹奏楽
開催日:2024.2.4(日) 13:30開演
![]() 場所 :小諸市文化センター(712名収容) 前回2022年11月以来の開催となる小諸市消防音楽隊のふれあいコンサートに行ってきました。 また縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。 ![]() プログラム 第1部 1.行進曲「エンブレムス」 2.映画「ハリーポッターと賢者の石」より 3.宇宙戦艦ヤマト・ハイライト 第2部 ラッパ隊による ラッパ吹奏 第3部 4.水木一郎コレクション 5.ナウシカ・レクイエム 6.ウイスキーが、お好きでしょ 7.ジャパニーズ・グラフィティー10「時代劇絵巻」 8.映画『ピノキオ』の主題歌「星に願いを」 9.サウンドオブミュージック メドレー アンコール 10.東京ブギウギ 11.信濃の国 1・2・4・6番 レポート 行進曲「エンブレムス」 1999年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲3として世に出た作品ですが、今回ふれあいコンサートが25周年を迎えるということで25年前の曲を!という趣旨で選ばれたとのことです。私が最初にこの曲を最初に聴いて感じたのは、サビの部分が長野市市歌にどことなく雰囲気が似いてるな…ということで、そういった意味では、親しみのあるメロディーを作って聴きなじみがある感を出そうとしたのかな?という作曲者の意図を感じるところがありました。 ![]() 映画「ハリーポッターと賢者の石」より 2曲目は、ハリーポッターのヒットの基礎となった第1作目の賢者の石を題材にしたジョン・ウィリアムズらしい華やかで艶っ気のある映画音楽が取り上げられました。楽曲の作りとしては、まるで映画を見ているかのような場面展開が連なる小気味よい形になっており、テンポの変化や変拍子などが効果的に機能しているのかなと感じました。難易度的にもけっこう骨がある印象ですが、練習を重ねた結果として変化のタイミングをみんなでぴったりと合わせられた時などは大きな達成感がありました。 ![]() 宇宙戦艦ヤマト・ハイライト ヤマトの吹奏楽編曲はいろいろありますが、こちらは2017年のニューサウンズインブラスに収録されていた編曲版で、「悲壮なヤマト」「無限に広がる大宇宙」「夕日に眠るヤマト」「元祖ヤマトのテーマ」「コスモタイガー」「ブラックタイガー」「美しい大海を渡る」の7曲が収録されており、まさにおいしいところ取りのハイライトになっています。構成とすれば、緊張感にあふれた冒頭部分~序盤を経て山を登るようにだんだんと盛り上がり、元祖ヤマトのテーマからブラックタイガーまでの駆け抜け感。フィナーレは壮大な美しい大海を渡るという形になっていてとてもドラマチックと感じるところがありました。演奏にあたっては、緊張感にあふれた弱奏部の繊細な表現と、中間部の盛り上がりとのメリハリ感といったところで難易度は高いがやりがいのある楽曲という印象がありました。 ![]() 水木一郎コレクション 昨年亡くなったアニキこと水木一郎氏を偲んでの演奏となりましたが、演出として水木氏のトレードマークであった赤いスカーフをところどころに配し、アニキの再来を思わせる雰囲気となりました。楽曲は、とてもドラマチックなアルトサクソフォーンのソロから始まり、その後バビル2世、コンバトラーV、マジンガーZの3曲のメドレーへと続きますが、私的にはバビル2世が楽曲的に一番想い入れがあるところで、3つのしもべ、バビル2世とヨミの対決など原作のシーンを頭に浮かべつつの演奏となりました。 ![]() ナウシカ・レクイエム 原曲は、風の谷のナウシカでナウシカがオームに轢かれて仮死状態?になった時に流れていたレクイエムと思いますが、そのメロディーをモチーフにスウィング調にアレンジした楽曲で、いくつかのパートのアドリブソロが入るご機嫌なジャズテイストの全く新しい楽曲として作られた感があるところですが、ポイントとしては、ところどころに入るノー・スウィングのリズム7音のパターンが曲をよい感じに締めており、それはあたかも竹の節に例えられるような感覚がありました。 ![]() ウイスキーが、お好きでしょ 照明が落とされ、フリューゲルホルンがステージ前に出てソロを奏でるという演出でスタートとなりました。こちらの楽曲は、ソリストの魅力が120%発揮される楽曲ということで、注目を一身に浴びてということになりますが、吹奏楽あるあるではないですがソリストの演奏に聞き惚れて自分の出番を忘れてしまうということがあったとか無かったとか…。 ![]() ジャパニーズ・グラフィティー10「時代劇絵巻」 2006年に発売されたジャパグラですが、当時はあちこちの楽団で課題曲のように演奏されていた印象があり、懐かしい感じがありました。こちらの楽曲は水戸黄門でヴィヴラスラップのソロ。銭形平次の導入部で珍しくバスクラのソロ。ホルンが活躍する大江戸捜査網。そして大岡越前では、テナーサクソフォンソロとトロンボーンのオブリガード。最後は暴れん坊将軍で締めるという見せ場の多い楽曲で、言ってみれば多くのプレイヤーが日の目を見るバランスの良い編曲という印象がありました。 ![]() 映画『ピノキオ』の主題歌「星に願いを」 夜明けのようなイメージで始まり、中間部はディズニーらしい優雅なワルツで盛り上がり、それが終わると夕暮れのように曲が閉じられる!というある種の物語を感じられる作りの楽曲で、これはとてもきれいな曲だと感じられました。 ![]() サウンドオブミュージック メドレー ふれあいコンサート本プログラムのトリは、サウンドオブミュージック、ドレミの歌、一人ぼっちの羊飼い、さようなら、ごきげんよう、エーデルワイス、すべての山にのぼろうがメドレーになった大曲でしたが、どの曲もこれまで何度も聴いたり演奏したりしてきた楽曲でなじみがあり、1曲1曲これまでの想い出も回顧しつつ楽しませていただきました。そしてこの曲は、吹奏楽ポップスの父と言われる岩井直溥氏の編曲ということで、そういえば岩井氏から亡くなってからもう10年が経つのだな…といったことにも想いが及びました。そしてこの曲はいわゆる複数の曲を並べたメドレーと一線を画す仕掛けが1つあり、それがクラリネットとバスクラリネットのカデンツァで、まずクラリネットがメロディーを奏で、それに呼応するようにバスクラリネットがメロディーを奏でる(返すようなイメージで)ということで、これを「やまびこ」と捉えると、サウンドオブミュージックの世界観のイメージがすごく膨らむ気がしてより楽しめた感じがありました。 ![]() 東京ブギウギ ニューサウンズインブラス2019の楽曲ですが、折しもNHK朝の連続テレビ小説で話題になっていることでタイムリーな曲と感じました。冒頭はゆっくりと入り、まずはブギウギ。そして後半からロックンロールに変わりテンポが18も上がっていっきに駆け抜けるという構成でとても小気味よいものがありました。また小諸市消防団の分団長の皆さんによるダンスも披露されるというサプライズで大いに盛り上がりました。 ![]() 信濃の国 四十七都道府県には、県歌のあるところ無いところ、あってもあまり知られていないところなど様々事情はあると思いますが、この信濃の国はかなりメジャーな方に入るのでは?と感じます。余談ながら、県内出身者は幼少の頃からこの歌を知っていることから、どこか冷めた目で見ている節がありますが、県外から長野県に移住してきた方からすると「この曲、6番まであるし、4番・5番は曲調が変わるとはなんてお洒落!」と感じることが多いみたいです。そんな中、アンコール曲として演奏された信濃の国は、1・2・4・6番とほぼフルに近いところで、十分に楽曲を感じることができました。 ![]() まとめ 小諸市消防団音楽隊のふれあいコンサートは、日程の都合で2023年はコンサートが無く1年2カ月ぶりの公演となりましたが、今回は前回を上回る編成で迫力も増した感がありました。そして楽曲群もリクエストの多かったジャズを取り入れるなど攻めのプログラムという印象で大いに充実感がありました。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 10, 2024 11:40:43 PM
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