売り場に学ぼう by 太田伸之
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Nobuyuki Ota
2006年元教え子たちに向けこのブログを開始。2020年直近3年分を編集し「売り場は明日をささやく」(繊研新聞社刊)を上梓したのを区切りにブログは一旦お休みに。しかし全く更新しなくても閲覧してくださる方が毎日いることがわかり、再びブログをアップすることにしました。お読みくださりありがとうございます。興味ある方、下の「フォローする」をクリックしてください。
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あれは1997年頃だったか。マンハッタンSOHO地区ウエストブロードウェイのポロスポーツ路面店で店頭展開の素晴らしさに衝撃を受けたのは。 店名は「ポロスポーツ」、なのにこの店の中にはラルフローレンの最上級ブランド「パープルレーベル」から、その次のランクの「ブラックレーベル」、ブリッジラインの「ラルフ」(メンズならポロ・バイ・ラルフローレン)、ポロスポーツ、そして「ダブルアール」、さらにデニム専業メーカー「リーバイス」や「リー」のヴィンテージものも並べ、ハンガーラックにはこうしたブランドごとの展開ではなく、ラックごとにストーリー性を持たせたブランドミックスでした。 しかも、メンズ、レディース両方をこうした見せ方にしていました。「凄いことやるなあ」、あのときは鳥肌立ちました。 ブランド企業の大型路面店で複数ブランドを導入してブランドごとに店内エリアや什器を分けて陳列しているケースはほかでも見たことあります。が、どのラックも複数ブランドのミックス、ラックごとにそれぞれストーリーが違う展開なんて見たことありません。 デザイナーが自社ブランドを因数分解して、しかも他社のヴィンテージを加えてまるでセレクトショップの趣でお客様に楽しさを提供している、いまもそんなブランド企業はありません。初めてこの展開方法をポロスポーツ店で見たときの衝撃、さすが世界有数のファッションディレクターのやることだと感動、興奮しました。 写真は、昨日松屋銀座5階にオープンしたメンズ、レディース併設「ポロ・ラルフローレン」ショップ。これまでどの百貨店もメンズはメンズフロアで、レディースはレディースフロアで別々に展開してきました。が、今回は同じショップ空間の中にメンズ、レディース併設。米国では全ブランドをミックスコーディネート展開してきたラルフローレン、それに比べたら驚くほどのことではありませんが、それでも併設インショップは一歩前進です。 果たしてこの試み、お客様にどのように映るのか。歓迎されるといいんですが。
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