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カテゴリ:漫画・アニメ
★ 『 ハル×キヨ 』 オザキアキラ (2013~16年) 電子書籍無料版およびレンタルにて、全9巻中、8巻まで読了。 「高身長女子と低身長男子」 の組み合わせのラブコメ。 『ラブ★コン』 、 『図書館戦争』 、 『富士山さんは思春期』 …と、さすがに、このパターンにも飽きてきたな…。 何だかんだ言ってヒロインが、顔は可愛かったり社交的な設定の作品ばかりだったことを考えれば、 「暗くてモッサい」 ヒロイン (初期設定) …というところに若干のリアリティはある。 とはいえ、 「髪型など気をつかえば、案外キレイ」 …という、いつものパターンでもある。 こうした 「美醜」 設定に対する読者心理というのも割と複雑で、絵的に明らかな不細工が主人公 …というのも、恋愛漫画では余り歓迎されないのだろう。 「平凡」 等とセリフでは表現していても、絵で見る限りはスラッと可愛らしいのが常道 (さらに実写ドラマ化されると、浮世離れした美人女優が演じて、モテるべき人がフツーにモテるだけの話に変貌する)。 周りの男に見る目がなくて今はたまたまモテないが、いつか、自分の可愛さに気付いてくれる王子様がきっと現れる… と根拠の無い夢を抱いている女性読者にとっては、 「よく見りゃカワイイ」 というのも、重要な要素だったりする (多分)。 ただ、 『ラブ★コン』 などよりも一歩踏み込んで、かなり、主人公の男女の距離を近付けて描いている (恋愛関係的にも物理的にも) ので、なまじ、デッサン力があるだけに、絵的な滑稽さは拭いきれない (顔の大きさなども正直過ぎるほどヒロインの方がデカイので、遠近感がおかしく見える)。 それでも、気にせずグイグイくる男子が男前で、少女漫画のヒーロー的であるのに対して、ヒロイン側は終始徹底してギャグキャラという対比で可笑しさを演出しているわけだが、思春期の少女が読んで、 『ラブ★コン』 のような胸キュンを感じられるかどうかと考えると、ちょっとビミョーなところだ。 この作品が 『富士山さんは思春期』 と違うのは、男性側が (低身長であること以外) かなり高スペックで他の女性からもモテるところで、逆に、余り取り柄のないモサいヒロインは 「度を越して性格が良い」 という設定で、客観的に男性上位という点では従来の少女漫画と大差ない。 そもそも、20センチ近い身長差のある思春期の男女が (幼馴染みだとか、他に選択肢が少ないド田舎とかならまだしも)、人目も憚らずに付き合うこと自体、現実離れしているが (『富士山さんは思春期』 は、交際を秘密にしているのがストーリーの肝になっていた)、正直、この作品の場合、キャラクター全てに (不快感はないが) リアリティが無さすぎて、(不釣り合いなカップルを揶揄する) ギャグ漫画と割りきれば、そこそこ面白いけれども、恋愛ものとしては、 『別マ』 系 少女漫画の定石どおり …としか言いようがない。 <関連日記> 2013.12.9. 有川浩、弓きいろ 『 図書館戦争 』…… 男女の身長差がミソ? 2014.7.11. 中原アヤ 『 ラブ★コン 』…… 「巨女」 と 「チビ男」 の爽やかな ラブ・コメディ 2014.11.28. オジロマコト 『 富士山さんは思春期 』…… デカい女に突きつけられる 「好かれる条件」
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最終更新日
2017年01月22日 00時30分03秒
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