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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2004/10/15
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今朝もまだ身体がだるい。
それでもなんとかPCに向かえるほど元気になった。

* * * * * * * * * *

昨日のスタートは悪くなかった。
午前中のうちに掃除機もかけ、新聞から日記のネタを拾い、日本人の友人に電話をして、あとで伺うことを告げた。
朝食がパンなので、たいてい早めにお腹がすいてしまう。
昼食は、いつも前の夜の残り物(これが結構残る)で済ませてしまうのだが、昨夜はほうれん草の煮物がほんのわずか残っただけだった。それを食べてしまった後、足りないのでミューズリーに牛乳をかけて食べた。
思えば、この質素な昼食が、原因の一端だったような気がする。

食後のコーヒーを立て続けに飲みながら、PCで日記をしたためているうち、友人の家に伺う時間になった。
昨日は「※木曜パザール」の開かれる日。ミニビュス(小型の寄り合いバス)で10分ほどの地区で木曜だけに開かれるこのパザールに私はよく出かけるのだが、その次いでに、しばしば近くに住む友人宅を訪問する。
この夏に日本に帰った時のお土産がまだ残っていたので、乾燥うどんやラーメン、焼きソバ、生理用品などをビニール袋に詰め、彼女にぜひこの味を見てもらおうと、先日作ったばかりの玉葱ジャムの瓶も忍び込ませた。
すぐに味見できるように、パンとチーズも一緒に。

「これから出ますから、10分か15分で着きます」と、友人に電話で伝え、家を出た。
ミニビュスに乗る時、ぼうっと考え事をしていたに違いない。よく番号を確かめもせず、最初に来たのに乗り込んでしまったのだ。途中で間違ったバスに乗ってしまったことに気付いたが、後の祭り。そのバスはグルグルと住宅街を回った後、パザールの開かれる地区の近くを通ることを知っていたので、遠回りにはなるが、とにかく行けるんだからと諦めた。
バスを降りた地点から、彼女の家まではおよそ10分。決して遠い距離ではない。
昨日もまた30℃近い暑さの中、ノースリーブを着て出た私は汗だくになって彼女の家に辿り着いた。

私は、座るより先にまず、例の玉葱ジャムの反応を知りたかった。お酒もけっこうイケる口の彼女だったら、きっと珍しがってくれるんじゃないか、そう思って。
ドイツでの大学生活を経験している彼女は、近くのパン屋でいつもドイツ風のライ麦パンを買っているそうで、それをスライスし、私のアドヴァイス通り、上にチーズとジャムを乗せて、サロンに運んでくれた。
「これ、おつまみになるね」と言いながら彼女が美味しそうに食べるところをみて、私は満足した。
私の方は、彼女がわざわざ買っておいてくれたミニエクレアを、美味しいドリップコーヒーと一緒にいただいた。

小一時間ほどおしゃべりに花を咲かせた後、私は彼女の家を辞退し、パザールに出掛けた。
我が家のある地区で開かれる日曜パザールは、まだまだ規模が小さく、新鮮な魚を扱う魚屋などないので、木曜日にはこのパザールまで足を運び、切らしている野菜や果物と一緒に、大抵魚を買って帰り、その夜は魚料理をすることにしているのだ。
昨日は、黒海産のソモン(サーモン)が新鮮だよという言葉に負けて、珍しくサーモンを選んだ。キロ6ミリオン(約470円)で、ちょうど1尾が1キロ分だった。ムニエルにでもするつもりだった。

自宅に戻り、サーモンと野菜を冷蔵庫に仕舞った後、子供たちを学校に迎えに行き、帰ってくるとすぐPCに向かって、日記の残りを書き上げた。
そのあたりから、少しずつ気分が悪くなり始めた。
眩暈がし、胃のあたりもなんとなくムカムカする。ベッドに行って少し横になることにした。
サイドテーブルの引き出しには、日本から買ってきた簡易式血圧計と体温計が常に仕舞ってあるので、もしかしたら血圧が下がっているのだろうかと、先に血圧を測ってみた。
上が118、下が78。きわめて正常だ。
体温はというと、36度5分。これまた平熱だった。
昼食も軽かったし、ひょっとしたら血糖値が下がってるのかもしれないな~。食事もろくにしないでコーヒーを飲みすぎたのもいけなかったし・・・と思いつつ、夕食の支度を後回しにして、軽くなるまで横になるつもりだった。

その後、「そろそろ夕食の支度を」「もう始めないと遅くなる」と活を入れて何度かキッチンまで向かったが、眩暈がして立ってられず、同時に吐き気が襲ってきて、ベッドルームまで這って戻るほどひどくなった。
夜7時も回る頃、私はまだベッドから半身しか起こすことができなかった。
娘に電話機を持ってこさせると、子供たちをよく預けあっている隣人の番号を押した。
「眩暈と吐き気がして立っていられないの。まだ夕食の支度もできてなくて。申し訳ないけれど、そちらで子供たちに何か食べさせてやってもらえないかしら」と恥を忍んでお願いした。
今まで「何時から何時間くらい」といって預かってもらったり、子供たちが遊びに行った際になにかご馳走になることはあったが、「食事を食べさせてやってくれ」とお願いするのはさすがに勇気がいった。
しかしもう、恥ずかしいなんていってられなかった。
子供たちのお腹を空かせたまま、放っておくことはできなかった。

隣人はすぐに子供たちを迎えに来て、家に連れていき、食事を与えてくれたのだろう、1時間ほどして今度は私の分まで食事を運んでくれた。私は身体を起こすと吐き気がして、何も食べられる状態ではなかったが、その気持ちが有り難かった。
私をひとりでゆっくり休ませようと、9時頃まで子供たちを預かってくれた後、送りに来た隣人は「いつ何時でも、必要があったら遠慮しないで連絡して」と言い残して帰っていった。
その夜は、子供たちはシャワーもせず、歯磨きは仕上げ磨きなしに自分たちだけで責任を持って済ませ、床についた。
私の方も、10時ごろから今朝7時までたっぷりと睡眠をとったおかげで、眩暈や吐き気はもうしなくなっていた。

* * * * * * * * * *

今年は本当に病気づいている。
1月には家族揃ってインフルエンザ。私の咳と胸の痛みは、その後1ヶ月は続き、上の娘の中耳炎は2ヶ月近く治らなかった。
さらに子供たちは、3月には水疱瘡。4月には身体を冷やして1週間ずつ寝込んだ。
学校が始まれば、下の娘の発熱。そして先日の扁桃腺炎。
そのほとんどの期間、夫は日本に居て留守だった。

熱には比較的強い私は、38度代の熱だったら平気でキッチンに立てるし、自分で薬屋にも出かけるけれど、眩暈には弱い。
昨年も夏の終わりごろ、しばしば血圧が下がり、眩暈がして起き上がれず、昼間寝込んだことがよくあった。
そして、昨日の眩暈・・・。低血糖なのか、貧血なのか、原因が分からないだけに少々不安になる。
まさか、これが更年期障害(不定愁訴)というやつか・・・?

とにもかくにも、いざというとき、頼りにすることのできる友人や隣人があることは幸せだ。
そしてトルコでは、「いざというとき」頼りにし、頼りにしてもらうために、常日頃から隣人同士の関係を大切にする傾向が強い。
こうしたトルコ式の持ちつ持たれつの関係が、時に窮屈で厄介な問題を起こすことがあるが、やっぱり大切なのだなあと、昨日はつくづく有り難さが身に沁みた。



※アンタルヤの木曜パザールの様子をご覧になりたい方は、
『世界市場紀行/ワールドバザール21』バックナンバー・インデックスから、
「トルコ>メルテム木曜市場」をクリックしてください。






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最終更新日  2004/10/16 04:01:48 PM
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